Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

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2013年01月07日
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カテゴリ: 夢有無有
「オリエントの神々」序章15・ギルガメシュ叙事詩・第一の書板(前半)
 全てのものを国の果てまで見、全てを味わい、全てを知り、全ての知恵を極め、全てを知り尽くした人について、私は我が国民に教えよう。彼は秘密を見、隠されたものを得た。彼は洪水前の事柄を知らせた。彼は遥か遠くへ旅をし、大変な苦労をして帰り着いた。彼は碑石に苦労の全てを刻み込んだ。彼は囲いの町ウルクの城壁を建てた。聖なるエアンナの神殿の宝物庫もそうだ。その外壁を見なさい。その輝きは銅のようだ。その内壁を見みなさい。どこにもこれ程のものは無い。敷居に触れてみなさい。それは遥か昔からのものだ。イシュタルが住むエアンナに近づいてみなさい。後の王の誰だろうと、これには及ばないだろう。ウルクの城壁を登り、歩いてみなさい。礎石を調べ、レンガをあらためなさい。そのレンガが火焼きレンガではないかどうか、七人の賢人がその基礎を置いていないかどうかを。ウルクの町の広さは一シャル、果樹園は一シャル、粘土をとる低地が一シャル、それにイシュタル神殿の未耕作地。つまり、ウルクは三シャルと更に未耕作地からなっている。銅製の書板入れを探し、その青銅製の鍵を解いてみなさい。秘密の門を開け、ラピス・ラズリの書板を取り上げて読んでみなさい。ギルガメシュがどのようにして、あらゆる苦難の道を歩んだかを。諸王に勝って名声に溢れ、容姿の優れた王、ウルクの出身で、雄牛のように勇敢だ。彼は、第一人者として前を進んで行き、兄弟たちの後ろ盾として、後を守って行く。ギルガメシュはルガルバンダの長子で、強力な網のように兵士たちの守りとなり、石の城壁をも砕く怒濤のような、もの凄い勢いを持っている。ギルガメシュは気高き雌牛ニンスンの息子で、畏れ多いほどの完全さを持っている。彼は山地に入る道を拓き、山裾に井戸を掘った。東の果てまで大海原を渡り、世界の果てまで行き、生命を求め、力を尽くした。破壊された聖所を再興した方である、遥かなるウトナピシュティムの所へたどり着いた。王権においてルガメシュと肩を並べられるような王は他にはいない。ギルガメシュは生まれ落ちた日からずっと、その名を讃えられる。彼の三分の二は神、彼の三分の一は人間。彼の体の形はベーレト・イリーが造った。彼は野牛のように雄々しく、背は高く姿は完璧。武器の扱いのうまさで、彼に並ぶ者はいない。彼の太鼓によって、仲間達は立ち上がる。ウルクの若者達は腹を立てていた。「ギルガメシュは昼も夜も横暴で、父親たちのもとに息子を残しておかない。ギルガメシュは囲いの町ウルクの牧者なのに。強く容姿も良く賢い、私たちの牧者なのに。ギルガメシュは母親たちのもとに娘を残しておかない。戦士の娘も、若者の妻までも。」彼らの訴えを神々は聞いた。天空の神々はウルクの城の主アヌにこう告げた。「アルルが人間を造ったのではないですか。武器の扱いのうまさで、ギルガメシュに並ぶ者はいない。彼の太鼓によって、仲間達は立ち上がる。ギルガメシュは昼も夜も横暴で、父親たちのもとに息子を残しておかない。ギルガメシュは囲いの町ウルクの牧者なのに。ギルガメシュは母親たちのもとに娘を残しておかない。戦士の娘も、若者の妻までも。」アヌは彼らの訴えを聞いた。そして偉大なアルルに告げた。「アルルよ、お前は人間を造った。今はその似姿を造れ。ギルガメシュに立ち向かう勇気ある者を。彼らを戦わせて、ウルクが平和になるように。」アルルはそれを聞き、アヌの似姿を思い描いた。アルルは手を洗い、粘土を取って地面に投げつけた。彼女は粘土で雄々しいエンキドゥを造った。ニヌルタの沈黙と稲妻の力を受けた者を。その全身は毛に覆われ、女のような毛髪を持っていた。その毛髪はニサバのようにフサフサだった。彼は人も国も知らず、スムカンのように裸だった。彼はカモシカたちと一緒に草を食べた。彼は獣たちと一緒に水飲み場でひしめき合った。彼は獣たちのように水を喜んで飲んだ。罠を仕掛ける一人の狩人が、その水飲み場で彼と顔を合わせた。一日、二日、三日目と、水飲み場で彼と顔を合わせた。狩人は彼を見て、顔をこわばらせた。彼と獣たちは住みかへ帰って行った。狩人は恐怖で動けず、声も出なかった。彼の心は乱され、その顔は曇った。恐怖が彼のはらわたにまで入り込んだ。彼は遠くから帰った旅人のように疲れ切った表情になった。狩人は彼の父に言った。「お父さん。山からやって来た人間がいました。山で最も強く、力持ちです。彼の力はアヌの結び目のように強く、いつも山を歩き回っています。彼はいつも獣たちと一緒に草を食べ、いつも両足を水飲み場に浸しています。私は恐ろしくて彼に近寄ることができません。彼は私が狩りの為に掘った穴を埋めてしまったり、仕掛けた罠を破ったりして、獣や野の動物たちを私の手から逃がしてしまいました。彼は私の狩猟の邪魔をするのです。」彼の父は狩人に言った。「我が子よ、ウルクにはギルガメシュが住んでいる。誰も彼の強さに勝る者はいない。彼の力はアヌの結び目のように強い。お前はウルクへ向かいなさい。そしてその男の荒くれぶりを彼に伝えなさい。そして、彼から神殿娼婦を貰い受けて来なさい。彼がやって来て、獣に水飲み場で水を飲ませる時、彼女に服を脱いで誘惑させなさい。そうすれば彼女を見て、彼は近づいてくるだろう。野の獣たちは彼と疎遠になるだろう。」父の言葉に従って、狩人はギルガメシュのいるウルクへ出発した。
 ギルガメシュは三分の二が神で三分の一が人間という半神半人の神により近い血統を持った男で、南メソポタミアにある都市の一つ「ウルク」の王であったが当初は「暴君」として振る舞っていた。これに困ったウルクの人々は「天神アヌ」に祈りを捧げます。「天神アヌ」はシュメールの神話で「太陽の頂き」あるいは「天」という意味の名前を持つ神である。シュメール神話の神々の中では、大地の神エンリルや深淵の水の神エンキと並んで最も古い神である。アンはアッカド神話ではアヌと呼ばれています。その「天神アヌ」がウルクの人々の願いを聞き届け、「女神アルル」を呼び出しギルガメシュに対抗できる者を作り出すように命じます。女神アルルは「粘土」から毛むくじゃらの大男「エンキドゥ(Enkidu)」を作り出していった。この粘土からの人間の創造は其の儘ずっと後代の旧約聖書の創世記に見る「人間の創造」に現出されています。そのエンキドゥは野原にあって動物たちと暮らし、草を食べ水飲み場で水を飲んでいました。その姿を狩りに来ていた人間が見つけ、その野獣のような姿を自分の父に報告します。父は息子に、ウルクの神殿に仕えている「遊女」を連れていきエンキドゥを誘わせろ、そうすればエンキドゥも女を知って人間らしくなるだろうと知恵を授けました。息子は遊女を連れて野原に戻り、水飲み場へと行ってエンキドゥが現れるのを待っていた。三日目にエンキドゥがやった来たとき、遊女は言いつけられていた通りにエンキドゥに近づいて胸元をはだけて誘い、着ているものを脱いでいった。エンキドゥは遊女に抱きつき六日と七晩彼女と交わり、野原にあった動物たちが逃げて行きますが、エンキドゥは遊女故に、力が抜け、それを追うことも出来ない状態です。ここでエンキドゥは「野獣」から「人間」になったと云う訳です。この「女性」が「男」を誘うというあり方は何となく創世記のアダムとエバを連想させます。

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最終更新日  2013年01月07日 06時04分26秒
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