「時間」を紐解く(73)物理学-時間観(一) 一般に時間は、過去から未来へと続くものとして1次元座標で表されます。この座標を表す物理量も時間と呼ばれ、時間を他の基本物理量と組み合わせて、速度、運動量、エネルギー、場といった別の物理量を算出しています。20世紀にいたるまで、ニュートンやガリレオといった偉大な物理学者も、時間というものは場所及び人間を問わず、何処でも同一のものだと考えていました。ところが、特殊相対性理論を持ち出したアインシュタインにより、時間の進み方は慣性系(観測者の置かれた場所)によって異なっているとします。また、時間はそれまで、連続的で流れているものである考えられていたのを、ドイツの物理学者で量子論の創始者の一人である「量子論の父」とも呼ばれているマックス・プランク(Max Karl Ernst Ludwig Planck)は測定することのできる最小の時間単位があることを示します。現代の物理学の体系において、時間は物理量のひとつとして扱われていますが、彼は光に最小単位があるという仮説を導入し、それによって光量子の概念が認められ、「時間の最小単位」という概念も登場します。これがプランク時間と呼ばれるものです。こうした物理学の発展をふまえて、アインシュタインの一般相対性理論は時空を実体的に捉えるものと通常は理解され、もしそうならば実体説(substantivism)に立つことになる。但し、時空の反実体説のも根強く争論となっています。彼は一般相対性理論の時空がリーマン空間であることを客観的な事実と考えていましたが、これを単なる規約と考える哲学者が多いのも事実です。また、時間と空間が本質的には異ならないことが相対性理論で示されたことから、光速を超えて移動することで逆向き因果や過去へのタイムトラベルもできるのではないかという可能性が一部に於いては示唆されています。