「思考と直覚」時間と霊魂117 仮に宇宙が永遠に膨張と収縮を繰り返し循環すると仮定すれば、周期が十全に永い「時間的に閉じた大宇宙」とした世界の場合、人間が生まれてから死んだ其の後、或いは亦、進化論的に人類が発生して文明を造り、其れが発展退却の結果に滅びた後に宇宙が再びある過去に戻っていたとしても、自己存中の宇宙で生活する人間の意識が感じる時間の流れ方は、普通とは変わらないと認識している筈です。ところが周期が1時間だったら脳の中の記憶も有限で、それは「過去の記憶」であり、「未来の記憶(Memory of the future)」でもある。その場合人間は時間の流れ方をどう感じるのであろうか興味が湧きます。宇宙が周期的であった場合には、エントロピーは上昇し続けて状況が変化し拡大します。エントロピーや熱力学の第二法則が此の課題のピンポイントになります。所謂、物理学的な時間方向で認識される周期的な宇宙の場合には、熱力学的エントロピーはある時点で減少に転じて初期値に一致還元されます。第二法則は時間方向に閉じていない健全な宇宙でマクロに成立する特異な現象といえます。時間の流れが人間の外世界にあるのか、将又、意識世界にあるのかは別段にしても、物理的時間や人間の実際的な認識的時間、漠然ではなく時を刻んだと認識する時間感覚が人間の頭脳には組み込まれています。