Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

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2021年09月25日
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カテゴリ: 絶対存在論
神の存否-180
 理知を獲得した人類の性向が目的論的性向を帯び易いのは歴史が示します。スピノザは其の性状の出来(しゅつらい)を掲げてみせます。
  付 録
 第五項第三
 人々は生起する一切が自分のために生起すると思いこんでからは、すべての物について、彼らに最も有用な点を重要事と判断し、彼らを最も快く刺激するものをすべて最も価値あるものと評価しなければならなかった。ここからして彼らは、物の本性を説明するために善・悪、秩序・混乱、寒・暖、美・醜のような概念を形成しなければならなかった。また彼らは自分を自由であると思うがゆえに、これから賞讃と非難、罪過と功績のような概念が生じた。後者についてはあとで人間本性を論じた上で述べることにして、ここでは前者について簡単に説明しよう。すなわち健康と敬神とに役立つ一切のことを人々は善と呼び、これに反することを悪と呼んだ。また物の本性を認識せずに物を単に表象のみする人々は、物について何ら正しい肯定をすることなく、表象力を知性と思っているから、そのことゆえに、彼らは物ならびに自己の本性に無知である儘に、秩序が物自体の中に存すると固く信じている。すなわち物が我々の感覚によって容易に表象され、したがってまた容易に思い出せるようなふうにできていれば、我々はそれを善き秩序にある、あるいは善く秩序づけられていると呼び、その反対の場合は、悪しく秩序づけられている、あるいは混乱していると呼ぶのである。そして、我々が容易に表象しうる物は我々にとって他の物より快いから、そのことゆえに人々は混乱よりも秩序を選び取るのである。あたかも秩序が我々の表象力との関係を離れて自然の中に実在するある物であるかのように。また彼らは神が一切を秩序的に創造したと言う。このようにして彼らは知らず知らず神に表象力を帰している。もし神に表象力を帰しているのでないとすれば、あるいは彼らは、神が人間の表象力を考えてすべての物を我々が最も容易に表象しうるようなふうに按配したと思っているのかもしれぬ。だがその際彼らは、我々の表象力をはるかに凌駕する無限に多くのものが存在し、また我々の表象力が微弱であるゆえにそれを混乱させるきわめて多くのものが存在するということには何の顧慮も払わないらしい。しかしこのことについてはもう十分である。
 此処では、スピノザは人々は生起する一切が自分のために生起すると思い込む人々は、世界が人間を創造したのではなく、神が特別の意をもって世界を創造し人間を創造したのだとの目的因を顚倒だと諭します。
即ち、生起する一切が自分のために生起すると思い込む人々は、自己が神を創造し、神が世界、将又、宇宙の起生因としており、世界の全ては人類の敬神に帰するとする論に手厳しく批判を加えます。



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最終更新日  2021年09月25日 06時10分04秒
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