Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

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2022年03月14日
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カテゴリ: 絶対存在論
神の存否-348
 スピノザは此処では喜怒哀楽・悲喜愛憎の其々の対比連関が精神感情に与える影響を、些か斜め視線でその条理を捉えてみせます。:記
 定理四四 愛にまったく征服された憎しみは愛に変ずる。そしてこの場合、愛は、憎しみが先立たなかった場合よりもより大である。
 証明 この定理の証明はこの部第三部の定理三八(ある人がその愛するものを憎み始めてついに愛がまったく消滅するに至る場合、彼は、それを全然愛していなかった場合よりも・・・・憎しみは以前の愛がより大であったに従ってそれだけ大であるであろう。)のそれと同一の仕方でなされる。すなわち自分の憎むものあるいは自分が悲しみをもって観想するのを常としたものを愛し始める人は、愛するということそのことによってすでに喜びを感ずる。そして愛が含むこの喜びの上に、憎しみが含む悲しみを除去しようとする努力が完全に促進されることから生ずる喜び、自分の憎んだ者をその原因として意識したような要因が加わる。    
 備考 事情はかくのごとくであるけれども、何びともしかしあとでこのより大なる喜びを享楽しようとしてあるものを憎んだり・悲しみを感じたりするように努めはしないであろう。すなわち何びとも損害賠償の希望に促されて害悪をわが身に受けることを欲したり、全快の希望に促されて病気にかかることを願ったりはしないであろう。なぜなら各人は自己の有を維持し・悲しみをできるだけ遠ざけることに常に努めるだろうからである。これに反して、もし人間はあとでより大なる愛をもってある人に対しようとするためにその人を憎むことを欲しうるということが考えられるものとしたら、彼はその人を常に憎むことを願うであろう。なぜなら、憎しみがより大であったに従って愛はそれだけ大となるのであり、こうして彼は憎しみがますます増大することを常に願うであろうからである。また同じ理由から、人間はあとで健康回復によってより大なる喜びを享楽しようとするためにますます多く病むことに努めるであろう、したがってまた常に病むことに努めるであろう。しかしこのようなことは(この部第三部の定理六 おのおのの物は自己の及ぶかぎり自己の有に固執するように努める。により)不条理である。
 上記に記された「有」なる語句は、スピノザの哲学的「常有」を意味しない。人間身体と精神感情を並立するスピノザはの此の章の意では、獲得した愛なるもの、喜びなどの「善」なるもの既得の精神感情を保持すべくなる精神動向を指すと思われます。:記



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最終更新日  2022年03月14日 06時10分04秒
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