Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

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2022年04月07日
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カテゴリ: 絶対存在論
神の存否-372
 付録:感情の諸定義 二五:自己満足 二六:謙遜 二七:後悔
 二五 自己満足とは人間が自己自身および自己の活動能力を観想することから生ずる喜びである。
 二六 謙遜(*自劣感)とは人間が自己の無能力あるいは弱小を観想することから生ずる悲しみである。
 説明 自己満足は、我々が自分の活動能力を観想することから生ずる喜びであると解される限りにおいて謙遜と対置される。しかしそれは、我々が精神の自由な決意によってなしたと信ずるある行為の観念を伴った喜びであると解される限りにおいては、次のように定義される後悔と対置される。
 二七 後悔とは我々が精神の自由な決意によってなしたと信ずるある行為の観念を伴った悲しみである。
 説明 我々はこの三つ(自己満足・謙遜・後悔)の感情の原因をこの部第三部の定理五一の備考(抜粋:
後悔とは原因としての自己自身の観念を伴った悲しみであり、自己満足とは原因としての自己自身の観念を伴った喜びである。そしてこれらの感情は人間が自らを自由であると信ずるがゆえにきわめて強烈である。)および第三部定理五三(精神は自己自身ならびに自己の活動能力を観想する時に喜びを感ずる。そして自己自身ならびに自己の活動能力をより判然と表象するに従ってそれだけ大なる喜びを感ずる。)、定理五四(精神は自己の活動能力を定立することのみを表象しようと努める。)、定理五五(精神は自己の無能力を表象する時、まさにそのことによって悲しみを感ずる。)ならびにその備考(抜粋:我々の弱小の観念を伴ったこの悲しみは謙遜と呼ばれる。これに反して、我々自身を観想することから生ずる喜びは自己愛または自己満足と称される。)において示した。また精神の自由な決意については第二部定理三五の備考(抜粋:人間が自らを自由であると思っているのは、すなわち彼らか自分は自由意志をもってあることをなしあるいはなさざることができると思っているのは誤っている。そしてそうした誤った意見は、彼らがただ彼らの行動は意識するが彼らをそれへ決定する諸原因はこれを知らないということにのみ存するのである。だから彼らの自由の観念なるものは彼らが自らの行動の原因を知らないということにあるのである。なぜなら、彼らが、人間の行動は意志を原因とすると言ったところで、それは単なる言葉であって、その言葉について彼らは何の理解も有しないのである。すなわち意志とは何であるか、また意志がいかにして身体を動かすかを彼らは誰も知らないのである。またそれを知っていると称して魂の在りかや住まいを案出する人々は嘲笑か嫌悪をひき起こすのが常である云々。記:然し乍らスピノザは後々の記述では「人間の精神の自由」をある意味合いで復活させているその真意を慮ること。)を見よ。
 しかしなおここに注意すべきことがある。それは習慣上から「悪い」と呼ばれているすべての行為に悲しみが伴い、「正しい」と言われているすべての行為に喜びが伴うのは不思議ではないということである。実際このことは、前に述べた事柄から容易に理解される通り、主として教育に由来しているのである。すなわち親は「悪い」と呼ばれている行為を非難し、子をそのためにしばしば叱責し、また反対に「正しい」と言われている行為を推奨し、賞讃し、これによって悲しみの感情が前者と結合し喜びの感情が後者と結合するようにしたのである。このことはまた経験そのものによっても確かめられる。何となれば習慣および宗教はすべての人において同一ではない。むしろ反対に、ある人にとって神聖なことが他の人にとって涜神的であり、またある人にとって端正なことが他の人にとって非礼だからである。このようにして各人はその教育されたところに従ってある行為を悔いもしまた誇りもする。



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最終更新日  2022年04月07日 06時10分04秒
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