Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

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2022年11月26日
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カテゴリ: 霊魂論
「神秘学概論」概説
4 懐疑の視線
 世の事物の明らかな事柄の中に隠された意味を認識する人、若しくはそれを推測し、将亦、予感する人ならば、誰彼なく神秘学への道を、その人に相応しい時点が来れば其の道を見い出すことができる。そのような人は、認識の力が進化しう得ることを知っており、いつかは隠された意味が自分にも開示されるであろうと感じている。そのような魂の体験を通して神秘学に導かれる人は、神秘学が自分の認識衝動の問いに答えを与えてくれると思えるだけでなく、生命を弱め妨げるすべてを神秘学によって克服することも期待できるようになる。人間が超感覚的なものから離れたり、それを拒 否したりせざるをえなくなるとすれば、それは高次の意味で、生命を弱め、魂を死に至らしめる。
世間的には人間は騙されやすい存在なのだ。隠された意味など存在せず、感覚と悟性の及ぶ範囲内に、そもそも存在しうるもののすべてが含まれていると信じさせられている。しかしこの思い違いは、意識の表面では可能であっても、意識の深みにおいては存在しえない。人間の感情と願望とは、この思い違いに従おうとしないで、繰り返して隠された意味を求め続ける。そしてそれを見出せなかったときには、懐疑的になり、人生を不確かなものと感じ、絶望へ駆り立てられる。隠された意味を開示する認識は、希望のない不確かな絶望的な状態を、つまりは、生命を弱め世界のために役立つ力を失わせるすべてを克服することができるのである。
霊学の認識は、知的な好奇心を満足させるだけではなく、生きる上での強さと確かさを与えてくれる。このことは、霊学の実らせる甘露で美しい果実なのだ。この認識が労働の力と人生への信頼とを汲み上げる泉は、尽きることがない。一度この泉を見い出した人は、そこへ戻る度に、必ず慰めと力づけとを受けとるであろう。(P48-51)
 現代人は、疑心暗鬼の塊で、騙されやしないかといつも不安である、そのわりには、その不安が逆転して、いちど信じ込んだら、その洗脳の影響を脱しがたいという状態にもなるとは我々が知るところである。其の本当のところは何かを真に認識しようとしているのではなく、只々、騙されまいとだけしているために、その疑心暗鬼の城門の錠のロックが一度外れると、その姿勢が単に顕わになるというだけのことかもしれないそれゆえに、世間の皆んながしていると自分もそうしたくなり、一極集中のブームなども起こり易い。つまりは、安心して目を瞑って(つむって・つぶって)手を引いてもらいたいということです。
 懐疑は必要不可欠であるが、その懐疑の底には認識への欲求がなければならない。そうでなけrば、信じたいけれど信じられないというに過ぎなくなる。信じたくないし信じてもいないけれどもそうであると考えざる得ない、というのが懐疑から導き出されるものでなければならないだろう。そのためにも、懐疑はより多面的なものである必要がある。水が幾重ものフィルターにかけられて濾過されるように、懐疑は幾重もの異なったフィルターが必要なのである。そういった意味でのニヒリズム( 虚無主義/Nihilism)は積極的な生の肯定にもなり得ることが可能となる。逆にいえば、ニヒリズムというフィルターを経ない生は他律的なものになってしまいかねない。最初から生に対して目を瞑ったまま肯定していると、それに対して絶望せざるをえない状況に陥ったときには生そのものを吟味しないままその絶対否定に陥ってしまってもおかしくない状況が生じる「明らかな事柄の中に隠された意味を認識」しようとするならば、先ずは、その「明らか」であるということに対して懐疑の視線を向けなければならない。そうでないと、最初から「隠された意味」が否定されてしまっていることになる。それは認識そのものの否定にもなりかねない。
まず目を開けて、今の自分が「明らか」だと思っていることを信じないようにすること「懐疑」から始める必要があるのではないだろうか。



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最終更新日  2022年11月26日 06時10分05秒
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