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August 10, 2008
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カテゴリ: ミステリ(日本)

まひるの月を追いかけて
文藝春秋 四六上製
☆☆☆☆☆

 *ネタバレと思しき箇所は文字色を背景と同色にしています。

 ミステリーといっても殺人だの犯罪絡みとは言い難い。偽証はあるんだけど。
 行方不明になった異母兄の恋人から、彼を探すために主人公はその恋人の女性と共に奈良に旅立つ。奈良が好きなので読んだが、途中までは結構冗漫。この主人公の女の子らしさ(といっても離婚歴もあるんだけど…)にかなり鬱陶しくなる。奈良の風物もこの主人公の目を通してだと、ちょっと興ざめかな…。
 ストーリーが面白くなるのは、かなり後ろの方になってから。勘のいい読者(ある意味小賢しい読者)は気付くだろうが、主人公といい勝負で鈍い私は、見事に著者の計略にひっかかってしまった。本当に最後四分の一くらいになって、このタイトルの通りに読者も主人公同様、ある事実に気付かされる。
もっと凄いのは、この本の中には書かれていないが、主人公らにとって大切な意味を持つ場所として、聖徳太子が生まれたと伝えられる橘寺が出てくるのだが、この場所のチョイスというか、聖徳太子の生母がどんな人だったのか、某漫画(作中にもちょっと言及されているが山岸涼子さんの「日出処の天子」)の知識でもいいからあると、作中には全く描かれていないあることが仄めかされているのだ。この人、聖徳太子の父親になった亭主に死なれた後、その亭主の連れ子と再婚してるんだよね…。この小説中には明記されてないけど…。ここまで読んで、面白かった~と思えるようになった。
 そして、かなり余韻を感じさせる結末も面白いと思う。





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Last updated  August 10, 2008 10:45:52 PM
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