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October 21, 2016
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カテゴリ: 歴史・地誌・旅行

パスタでたどるイタリア史 [ 池上俊一 ]
池上俊一
岩波書店 岩波ジュニア新書
☆☆☆☆☆
 パスタが大好きなので、レシピだけでなく、どんな歴史があるのか知りたくて読んでみた。そういえば、うどんも大好きだけれど、その歴史は読んだことないが。オーソドックスなレシピなら、「私のパスタはマンマの味」(マガジンハウス刊、クロワッサンプレミアム)が、協賛店とのタイアップらしきページが多いとこぼしながらも、お気に入り。この本は、レシピより、そのたどってきた歴史の本。ついでにイタリア史の概観もつかめる。イタリアは、都市国家分立と、近世にいたるまで、スペインやオーストリアの支配下だったので、統一史が掴み難く、分かりにくいのだが、この本は、意外とそこが分かりやすい。また、地方の名物パスタなどもあって、読んでいて楽しいし、興味深い。
 特に興味深く思い出されたのはプッタネスカというパスタ。「娼婦のパスタ」という意味なのだが、ナポリのスペイン街で、手軽にできるパスタということで作られ始めたそうだが、何でスペイン街?と思っていたのだ。そう、このスペイン街、ナポリがスペイン支配下の港町だったっていう名残のように感じる。今でも「空母の出港日は娼婦にきけ」というらしいが、そんなことを思い出すと、このプッタネスカというパスタ、ちょっと意味深になってくる。これが大航海時代のことなのだが、新大陸から伝わった食材がパスタに大きな役割を果たすことになる。トマトなどだ。そういえば、プッタネスカにはトマトも入るなぁ。
 そして、アマトリチャーナのことも。イタリア中部地震支援でサイゼリアがアマトリチャーナで寄付を募ったことは記憶に新しいが、(私も二三度食べたし)そういえば、ビアンコとロッソとあって、ビアンコは新大陸発見以前にトマトを入れないで作った古いレシピだと説明にあった。この本によると、パスタにチーズをかけるのは中世から行われていたそうだ。だから、南風に卵に火を通すカルボナーラなども、古いレシピなんじゃないだろうか。
 また、男は外で仕事、女は家にという保守的な家族観とパスタが結びついたかと思えば、一時期、近代化を目指したイタリアがパスタを否定したというのも興味深く読んだ。そして、お気に入りのテレビドラマ「マッテオ神父の事件簿」では、いかにもイタリアのマンマという感じの女性が料理の腕前を披露するシーンが出てくることも思い出された。
 この本には日本とアメリカのパスタ事情も書いてあって、そちらも非常に興味深かった。ジュニア新書ということで、文章も平易で読みやすいし、隠れた(?)名著だと思う。姉妹編にカレーもあるようだから、機会があったら読んでみたい。





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Last updated  November 22, 2016 09:42:51 PM
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