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2013.08.17
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カテゴリ: 読書
先日、久々にネット注文ではなく
本屋さんで買った
東野圭吾「夢幻花」を読み終えました。

黒地に朝顔と浴衣女性の後ろ姿が描かれた
なかなかステキな表紙です。


【送料無料】夢幻花 [ 東野圭吾 ]

帯に「黄色いアサガオだけは追いかけるな。」
という言葉と
「アサガオに黄色い花はありません。
 しかし江戸時代には存在したのです。
 ではなぜ今は存在しないのか。

 そのように考えていくと、徐々にミステリの香りが立ち上ってきました。
 東野圭吾」
という文章が載せられています。

季節ともあいまって、なかなか興味深いではないですか。

小説冒頭は東京オリンピックを2年後に控えた東京に住む
ある若い夫婦の姿から始まります。
玉のれんを上げて食卓に着く旦那さん。
朝食は和食、シジミのみそ汁…と
さりげなく当時の生活様式が立ち上って来るシーン。
幸せそうだなぁと思いつつページをめくると一転、
この夫婦は惨劇に襲われてしまいます。

妻が赤ちゃんを抱きながら一緒に歩いている
その目の前に血刀を下げた男が現れて…。


ひぇ~。おそろしい…。
しかし場面はさっと終わって、別の場面に転換します。
時代はおそらく冒頭のシーンの30年後くらい。

帰りには鰻を食べるのが恒例になっている蒲生家。
夫婦と、男の子二人のこの家族の二男、蒼太。
蒼太はその年の朝顔市で偶然知り合った伊庭孝美に淡い恋心を寄せるが、
ある日 父親から唐突に遮られることになる。
割り切れない思いのまま成長した蒼太は
家から離れたい気持ちもあり、大阪の大学に進学。
原子力工学の勉強を続け、大学院生になっている。

一方。
オリンピック代表選手候補と目される実力を持ちながら
まだ大学生の若さで引退してしまった秋山梨乃。
彼女にしか分からない理由で引退した後
一人うつうつとしていたとき
いとこの尚人が自殺したという知らせが入る。
尚人が友人と立ち上げたバンドは実力を認められ
メジャーデビューも夢ではなくなったというのに
全く理由が分からない自殺にとまどう梨乃。
葬儀の席で久しぶりに会った祖父と話し、
誰よりも水泳選手としての自分に期待してくれていたのに
何も触れない祖父の想いやりに気づき
これからは 一人暮らしの祖父ともっと親しくしようと思う。
ところが、その矢先、祖父が自宅で何者かに殺され
梨乃は第一発見者になってしまうのだった…。



全部で371ページまである「夢幻花」。
上に紹介したのは50ページまでに全て出てきます。
残りの約320ページは謎解きなわけです。
一見無関係だった人物がどんどん繋がっていきますが
黄色いアサガオがこの殺人にどう関与するのかが なかなかわかりません。
また、冒頭に描かれた惨殺も、ストーリーにどう関わって来るのか
予想がつかず、とても面白く読めます。

黄色いアサガオの謎と
冒頭の惨殺事件はしっかりリンクしていて
終盤一気に謎が解け「ああ、スッキリ」。

事件を追う刑事とはまた別に
蒼太と梨乃が事件の謎を追ううちに
それぞれに悩んでいた
「自分はどう生きていけばいいのか」
「自分は何をすればいいのか」
という問題に対して見つけた答えが清々しい。

ミステリであり、青春小説であるとともに
これまでの東野圭吾の作品にも多く見られる
科学的なウンチク小説でもあり…と、
何通りもの楽しみがある 良作だと思いました。

お勧め度は★★★★☆デス。


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最終更新日  2013.08.17 14:46:57
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