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2016.08.06
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これはキャメロン・オズボーンが積極的に推進してきた対中外交の劇的な路線転換だろうか?

メイ首相は中国との間ですすめてきた原子炉プロジェクトの最終合意を「急ぐべきではない。もっと慎重に時間をかけて再審査するべきだ」とし、中国はすっかり慌てた。

これは中国が最初に西側に建設しようとして原子炉プラントであり、もともと安全性に問題があり、中国のオファーを是としてきたキャメロン政権の決定がいかがわしいことは、内閣の中枢財務担当大臣のジョージ・オズボーンが異様なほどの中国派だったことに由来している。

昨年十月、4日間におよんだ習近平の訪英において、目玉プロジェクトとして、両国は署名した。

「拙速すぎる」という批判が当時からあり、また後日エリザベス女王が、「礼を欠く、品位のなさ」として習近平を名指ししなくとも、それとなく批判したという逸話はひろく伝わった。

サマセット地区のヒンクレーに建設予定だった原子炉は総額18億ポンド(2700億円前後)というシロモノ、安全性の確認もなく急ぎで決めるべき問題ではない。

急ぎすぎた政治的背景にも、2015年3月に米国の期待を裏切ってAIIB参加をきめた英国外交の奇妙な親中姿勢にあった。

ついで英国の国民投票はキャメロン路線を否定する結果を招き、かれらは下野したが、親中派のロンドン政界における退潮の兆しでもあった。

世界中で、中国のプロジェクトは頓挫の連鎖が始まっている。



ミャンマーの水力発電ダムの中止等々、枚挙するにいとまがないほどである。

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」2016.8.4 4978号から引用





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最終更新日  2016.08.06 13:56:09
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