2007/03/05
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某所に書いたモノを転載します


嫌いな方は、ここでお帰り下さいませ。










今回は、見終えて直後の感想から・・・・
「・・・・・・。」だった。何となく納得がいかなかった。
母がトイレに行っている間、ふと「パフューム」の
看板を見たら「ある人殺しの物語」という副題が目についた。

そう、この映画は「人殺しの物語」なのだ。
「香り」について考える為の一石なのでは無く、
ただの「人殺しの話」とわざわざ断ってあったのだ。

先日、友人が、この「パフューム」の原作となった本の
初版本を持っていて見せてくれた。私が買ったのは
映画公開前に再版された文庫本で、文庫には表紙に
副題がついていたが、ハードカバーの初版本には
ただ「香水」としか書かれていなかった。


ここが、「映画」と「原作」の大きな違いだ。



私はネタバレが大好きなので、原作を読んでしまってから
映画の公開を待ちわびたのだが、これから映画を観ようと
される方へ、一言申し上げるならば、

「原作を読んでから観るか、観てから読むか、ただ観るか
これで随分映画としての楽しみ方が変わるだろう」と。



想像力のある方ならば、読んでからの方がいいと思う。
想像力に自信の無い方は、観てから読めばイメージが
掴めるだろう。やはり、私としては原作は、何も無い
まっさらな、無香の状態で読んで楽しんでもらいたい。
読書を充分楽しんでから、映画を観れば二重の楽しみである。
映画を観てからの読書では、どうしてもイメージが固定
されてしまうので、妄想人ちょいことしては、あまり
オススメしない。もったいないから(笑)


匂ってくる映像だったかどうか?
確かに前半は、臭かったと言っていいと思う。
カットカットが、全て臭そう。誰がどう見ても臭い。
その上、サブリミナル効果でも狙っているのか?と
思うくらいに、臭いカットがバシバシと出ては次のカットに行く。
私は、顔をしかめながら見てしまった。
悪臭が目にしみる、という経験があると思うが、
それに近い感覚でもあった。


多少原作とは違うエピソードもあった。
ベースを知らないで観た人は、これらを理解できるのだろうか?
きっと、何となく流してしまうのでは?と思う。

産まれたばかりの赤ん坊を、子供が殺そうとした、
という程度のエピソードでは、主人公がどれだけ人から
疎まれる素質があったのか?という事を理解するのに
情報が足りないと思う。そこを知らないと、どうして
主人公があんなにも、意図容易く他人に近づけるのか?
という映画を観ての疑問は解決しないだろう。

ま、何度も言うが、この映画は「人殺しの話」なのだ
「天才の鼻を持つ人殺し、の話」であって、
「匂いを作るために人を殺す人間の話」では無いのだ。

前半は、悪臭が目にしみる映像だった。
主人公には野心が見られた。原作を読んだときは、主人公に
野心というモノはひとかけらも感じられなかったのに
映画では野心を持っていた。主人公の若さを演出したかったのか?


後半では、観る人それぞれが、今までに記憶してきた匂いを
総動員して観る事となる。だから、観る人がどんな匂いを
イメージして観ているのか、きっと全員違うだろう。
映画でも原作でも、そこには一切触れられていない。
(前半には、パチュリ、オレンジフラワーなどの原料が
出てきているので匂いが特定できた)

こうして、人それぞれがイメージした「究極の香り」が
映画に漂うわけなのだが、映画の中では、その、
人それぞれに違うであろう「究極の香り」を主人公が
調香して、人々に受け入れられる一個の香りとして登場する。
そんなモノが実際作れるかどうか?なんて事は忘れるしかない。
そうなってくると、もう私などには「匂い」は感じられなく
なっていた。もう匂いなんてどうでもいい、ただ、
「そんな香水があったとしたら、人はこんな風になるの
かも知れない」と、映像を追っていくしか無かった。

映像は話題になっている通り、ショッキングな映像だった。
でも、私としてはそんなにショックは大きく無かった。
どちらかと言えば、前半の悪臭映像の方がショックだった。

ただ、あれだけの広い空間が、人の肌色で埋められている
という画像は面白かった。本当の「はだいろ」ってヤツだ。



最期に出てくる主人公の回想、最期の演出、
この辺りに映画と原作との違いを出しているらしいが
映画の後半になってくると、匂いに対する関心よりも
「人殺しの主人公」に対する関心の方が強まるので
この演出は、あって当然だろう。

ラストのカットは、原作の何とも言えない読後感とは違い、
何とも言えないあの読後感を、映画では余韻を持たせてくれた
という感じがした。その余韻が必要かどうか?は
人それぞれだろう。私は無用の演出だと思った。






さてさて、映画的な見方をすると、ヒロインの女の子は
とても可愛かった。声もかわいらしくて、さも良い香りが
しそうな女優さんだった。主人公は、カッコイイとは
どうしても思えない人だったけど、他の役をやったら
きっと別人のように格好良く見えたりするのかも知れない。

ダスティンホフマンの貴族化粧は、笑える。
「トッツィー」って映画があったよなぁ・・・と思い出した。

衣装やしぐさのおもしろさでは、マリーアントワネットとは
比べものにならない。でも、マリーアントワネットの映画と
このパフュームは、ぜひセットで観て頂きたい。
ちょうど、公開も前後しているので、あの時代の
光と陰を見るのなら、この二本の映画は、ぜひ二本立てで
見て頂きたい。その方が、どちらの映画も楽しめるだろう。

音楽もベルリンフィルの最高の音楽、と書いてあったが
なかなか良かった。主人公が、人間の香りに魅せられる時
音楽をつけるのならば、やはり「人の声」でなければ
ならない。そのあたりの効果は抜群に良かった。
匂いが脳に直結するのであれば、音楽ならば人の声だろう。
どんな楽器であっても、その楽器の名手であっても
人の声は作れまい。効果的な音楽が「声」だった事を思うと
何も「ベルリンフィル」じゃなくてもいいのでは?と
意地悪く思ったりもした。




と・・・長々と書かせて頂きました。

ずっと期待していた映画だったので・・・・


期待通りでもあったし、期待はずれでもあった。
でも、期待はずれだった部分は、元々私が期待したのが
間違っていたのだった。それは、人殺しの話って副題を
忘れていた私が悪い。


原作を読まないで観に言っても、面白いだろうとは思う。
でも、やっぱり出来れば読んでから観て欲しい。
映画を観てしまったら、パトリック・ジュースキントの
傑作を楽しむ、という愉しみのチャンスを失う事になるだろう。

映画は、想像した世界の補強としてご覧になるのが良かろう。



まるっきりの私の勝手な感想ですので、適当に流して下さい(笑)
忙しくて原作読まないうちに、映画の公開が終わってしまったら
それこそ後悔しちゃうからね(笑)

ま、あの映画観たからって香水に関心が膨らむワケでは
無いんじゃないかな?アタシが元々匂いに関心があるから
かな?全く関心の無い人がみたら、衝撃的なのかしら?



究極の香水の香りが、人それぞれ違うイメージなのと同じで
この映画に対する感想も、人それぞれでしょうしね。

読んでも読まなくても、観て損では無いと思うよ。
大画面でなくちゃ味わえない部分は多くありました。






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最終更新日  2007/03/05 05:20:52 PM
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