最後に演奏されていた1984には、あからさまに「エリーゼのために」が挿入されていたり、なんだか不思議テイスト。コンサート中盤ではあの例の、作曲するのを忘れて即興一発で録音したという「ホワイトロック」からのAfter the ballも演奏していて(これは出だしがもろに「愛の夢」)、ちゃんとネタばらしもしていて、「終わってビールを飲んでいたら1曲忘れていることがわかって、いや頭の中に音楽はあるからっていって一発OKだった」とか、リックってばあいかわらずこういうことを平気でいう。このエピソードは最初のGrumpyにも書いていた。
ステージでは「自分で言うのもなんだけど、いい曲だから、あとからちゃんと練習したんだよ」みたいなことを言っている。こういうリックの一面って、「自分は欠点だらけの人間だけど、音楽に対する倫理観は人一倍強いんだ」みたいな発言に通じるんだろう。Yesspeakのなかで忘れられないリックのセリフがあって、お父さんが昔リックに、~be take the music siriously, but don't take yourself seriously って言って、今でもそれを実行してるんだって。音楽には真面目に、自分のことは適当に。その通りで30代までに2度も死にかけているし、結婚歴が多いのはなんだけど、一応人生からも学んでいるっぽい。