白金台と大手町

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2006.12.15
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テーマ: たわごと(27623)
カテゴリ: カテゴリ未分類
白金高輪から大手町までのウィークデー朝8時台の都営三田線は、それほど混んでいなくて快適な10分だ。座れる可能性は半分くらいだろうか。乗客のほぼ全員が通勤客で、三田、芝公園、御成門、内幸町、日比谷と、進むごとに、どんどん降りていくのが特徴である。

もし、座れたら、10分の仮眠あるいは、読書。結構、お気に入りの時間だ。

そんな今日、乗ってきたのは、70台と見受ける老人。草臥れたスーツを着て、使い古された紙袋を持って乗ってきた。白髪を振り乱し、顔には深い皺が刻まれている。が、背筋はピンと伸びている。老人は、電車に乗るなり、空いた席を見つけようと、車内をうろうろしはじめる。

こんなとき、席を譲るかどうかは、とても悩ましい。譲っても、譲らなくても、通勤電車は、どうせ、どんどん、人が降りていくから、すぐ空き席はできる。

老人は一見、不自由なことろはなさそうだし、よぼよぼの年寄りではない。譲るか譲らないか、ギリギリのラインというところ。

その人は、見るからにとても不機嫌で、イライラしていた。仮に席を譲ったとしても、お礼も言わずに座るか、無視されそうな予感がする。第一、うろうろしているから、声をかけようにも、かけにくい。

座っている誰もの頭に、一瞬にして、似たような思いが浮かんだのだろう。誰もが、一瞬、顔を上げるが、結局、席を譲らない。

老人は、そんな冷たい車内にますます、苛立ちを高める。もちろん、「座りたい!」「譲れ!」と大声で叫ぶわけではない。

御成門に到着し、席が一つ、空いた。老人が座ろうとそちらにダッシュしたときには、すでに時遅し。近くの若者がすばやく腰を下ろしていた。



怒りの老人とは目を合わせたくない。誰もが下を向く。

皮肉なもので、老人が怒れば怒るほど、ウロウロと席を探してさまよえばさまようほど、席は見つからない。

はっきりいって、老人はとんでもなく、損していた。

そもそも、最初にいた場所でじっとしていれば、いずれ前の席は空いたのに。

あるいは、温厚な様子であれば、近くの人が席を譲ってくれたかもしれない。

老人は、何も始まらないうちから怒っていた。老いて疲れている自分に。自分を無視して、暖かい手を差し伸べない世間に。

どうせ、自分は無視され、暖かい手は差し伸べられず、席に座ることはできない。90%の諦め。

それでも、100%は諦めきれず、期待が捨てられない。絶え間なく裏切られ続ける10%の期待。それが、イライラの原因だ。

イライラは、皮膚を通じて、周りに伝播し、周囲の人を落ち着かない気持ちにさせる。人は、親切をしたら、感謝されたい。感謝されないまでも、他人と関係を持つことで、イヤな思いはしたくない。だから、イライラした人とはかかわりを持ちたくない。

あるいは、電車のなかで起きたことは、老人の人生の縮図だったかもしれない。90%の諦めと10%の期待。思うようにならない人生。求めるものが手に入らない。いつも不利で、損をする。そう思いこむことで、本当に、そんな人生になる。

天は平等である。今、手に入らないものも、いつかは入る。悪いことはいつまでも続かない。人生は良いものだ。



もって他山の石としたい。




























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最終更新日  2006.12.15 17:57:55
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