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ボックスアート
ゲームボード
パブリッシャーは「プログレス」「プラエトル」のNSKN Games。デザイナーは「ヒュペルボレア」「シニョーリエ」の共作者であり、「アスガルド」のデザイナーであるPierluca Zizzi。優れた重ゲーデザイナーが、ちょっとだけ(ほんとにちょっとだけだが)軽めのゲームを出してきた。
“シームルグ”と呼ばれるさまざまな形態の竜と人間が共存しているファンタジー世界が舞台。はるか昔に“大荒廃”と呼ばれる謎の敵勢力(ルールブック中で全然描写されておらず、ゲーム中には登場しないのでほんとに謎だw)が人類に襲いかかったが、同盟していたシームルグの王、竜王ムラタンの力を借りて何とか撃退。彼方の地に追いやることに成功したが、その後ムラタンは人類のもとを離れ、配下のシームルグも大半がいなくなった。わずかに残ったシームルグを抱えた一門は貴族となったが、平和な時代が続くにつれて規模を縮小していくこととなった……ここまでが歴史。
で、最近になって“大荒廃”が再び攻めてくる兆しが見えたので、大慌てで備えを固める人類。減ったシームルグを増やし、兵士を訓練し、食料や資材を蓄え……とやることはもりだくさんだ。そしてもちろん、一番大事なのは「いざというときに誰が人類のリーダーとなるか」だw そのために訓練した兵や貯め込んだ食料/資材を権力点に変換し、ときには味方であるはずの他プレイヤーの足を引っ張り、最も多くの権力点を獲得することを目指す。強大な敵を目の前にしてなお、味方同士で競い合う……いろいろ身につまされるゲームだw
メインシステムは、ワーカーを置いてすぐにアクションを実行するタイプのワーカープレイスメント。ラウンドという概念はないので、使ったワーカーが自動的に帰ってくることはなく、1手番を使って回収しなければならない。「マンハッタン計画」で使われてたシステムと同じだ。ワーカーに種類があるところも似てるが、こちらは槍兵駒と竜騎兵駒の2種類だけ。数も最初は各1個ずつしかないので頻繁に回収することになるし、一部の駒を回収しなくてもいいなど、違うところも多い。
槍兵駒。
竜騎兵駒。アクリル板を切り抜いたものを土台に差し込むという、非常に残念な仕様になってる。槍兵の槍と竜騎兵の尻尾は折れやすいから気をつけろよ! 折れやすいからなorz
アクションスペースで使うときに限って言えば、竜騎兵なら置けるけど槍兵は置けないスペースがあるので、竜騎兵は槍兵の完全上位互換だ。最大まで増やしても各プレイヤーごとに槍兵3体、竜騎兵2体なので、ワープレにしては結構少ない感じ。
手番ごとに「ワーカーを1個置いてアクションを実行する」か「ワーカーの一部(または全部)を回収する」のいずれかをメインアクションとして実行しなければならないほか、フリーアクションとして「アクションタイル1枚の配置」「探険タイル上での竜騎兵駒の前進」を1回ずつ、「シームルグ能力の使用」を可能な限り何回でも実行することができる。
「アクションタイル1枚の配置」では、ゲームボード右側にある荒野の空きスペース(6つある)に手札のアクションタイルを置く。これは荒野を開拓したことを表しており、そのスペースに示されてる資源を得ることができる。各アクションタイルは開拓地に作られた施設か何かを表しており、それ以降誰でも利用できるアクションスペースが増えることになる。
アクションタイルの例。右はさまざまな資源を権力点に交換できる権力タイル。主要な権力点獲得手段の1つで、ゲーム開始時に1枚ずつ配られる。左は探険タイル。配置時に一番上のスペースに竜騎兵を置き、手番ごとにフリーアクションの「探険タイル上での竜騎兵駒の前進」で1段下のスペースに進めることができる。そのたびに一番上に示されてるコストを支払う必要があるが、スペースの右側に示されてる利益を得ることができる。他のアクションに比べておおむね高効率だ。なお、一番上にあるような大きなスペースにはワーカーを何個でも置くことができる。小さいスペースには1個しか置けず、竜が描かれてるスペースには竜騎兵しか置けない(何も描かれてないスペースには槍兵でも竜騎兵でも置ける)。
アクションタイルを置くスペースがない場合、武器を支払って既存のタイルを取っ払うことができる(探険タイルは不可)。ほんと味方同士で何やってんだろうなw とはいえ、その上に置かれてたワーカーはプレイヤーの手元に戻るので回収の手間が省けるから、追い出されるのも悪いことばかりではない。
各プレイヤーの手番終了時に「ワーカーが1個も置かれていない」「ワーカーが4個以上置かれている(探険タイルは除く)」「探険タイルの一番下のスペースに竜騎兵が到達してる」のいずれかの条件を満たしてるアクションタイルは自動的に取り除かれる。この取り除かれたアクションタイルの数によってゲームの終了が決まるので、場合によってはあっという間にゲームが終わることもあり得そうだ。
シームルグの能力を使うときには、手元にあるシームルグタイルから能力マーカーを取り除き、その効果を適用する。一度使った能力は使えなくなるが、あとから能力マーカーを置き直せば再利用できるようになる。
シームルグタイル。資源を変換する、資源を得たときにさらに追加で得る、探検中の竜騎兵をもう一度移動させるなど、さまざまな能力がある。手持ちのシームルグとアクションを組み合わせれば、一気に思いもよらないものを得ることもできるだろう。
こうしてアクションを繰り返していき、取り除かれたアクションタイルが規定数に達するか、ボード上に置かれた目的タイルが規定数に達したらゲーム終了。目的タイルや残りの資源による権力点を得て、最多得点プレイヤーの勝ち。
目的タイルの例。ゲームボード上のアクションによってボード上に置くことができる。大半は左側のように2または3種類のシームルグが描かれており、それらのシームルグタイル上に置いている能力マーカーの枚数に応じて1~3位が権力点を得る。中央のはすべてのシームルグタイル上のマーカー数を競う。右のは唯一シームルグタイルとは無関係で、持ってる肉と野菜の数を競う。
うーん、ちょっとどういう展開になるのか想像がつかない。最初に配られた権力タイルは、最低1回は自分で使うことができるから、それで得られる権力点を最大化するべく動くのかな。どのアクションタイルでもそうだが、他プレイヤーが武器を持ってないときに(武器は比較的得にくい感じ)荒野に置いて、できれば2回以上使えるようにしたいところだが、他プレイヤーも使えるんだから完全に自分だけが利益を得るのは難しいだろう。
序盤から目的タイルを引く理由はあまりないので、まずはアクションタイルを置いたりシームルグタイルを増やしたりしつつ、取り除かれたアクションタイルによってゲームが終わりそうになったら目的タイルを引いて、自分に都合のいいのを選ぶ……というのが理想だろうか。まあ十中八九どこかでつまづくんだろうけどw
アクションタイルが48種類あるので、どれがどのタイミングでボード上に置かれるかによって、臨機応変に戦術を変える必要がありそうだ。簡単なルール、柔軟な意志決定、そしてファンタジーテーマの美麗なアートワーク。このあたりが刺さるゲーマーには一度試してもらいたい。すでに拡張「 Call of the Dragonlord
」の発売も予定されており、さらに多様な展開になりそうで楽しみだ。
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