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彼女は病気と闘いながらも少女時代を迎えた。相変わらず立つことはできないし左手も麻痺したまま。でもこの頃の彼女は笑ってる。名前を呼んであげただけでケタケタと。歌もうたえる。♪あいた~あいた~ちゅうりっぷのああが~♪なんとも楽しそう。彼女がなぜこんなに笑うようになったかと言うと答えは簡単!私がリハビリをやめたから。あの頃の私は鬼のような顔して貴女のためなんだからと麻痺した足を固定させ無理無理立たせてた。いつかは自分の足で立って歩いてくれると信じて。よく夢にも見た。彼女の両手をひょいとひっぱるとスッと立った。なーんだこんなふうにすれば立てたんだって。寝ても覚めても立て立て立てって感じ。そして私は毎日毎日麻痺した足をマッサージして固定して立たせて、、を繰り返した。そのうちに彼女は足を固定する台を見ただけで泣き出した。そんなある日朝からリハビリはいやだと泣く彼女を連れて気晴らしに裏の公園に車いすで出かけた。たくさんの花が咲いていたし、陽差しもあったかくてとっても気持ちがよかった。彼女が大好きな風船で一緒に遊んだ。すごくすごくよく笑う。そしたらね。どうでもよくなっちゃったのさ。立てなくても一日。泣いても一日。笑っても一日。時間は過ぎていくし、だったら彼女が一日でも多く笑っていられたらそれはそれで幸せなんじゃないかな。って。だからやーめた。立てなくったって歩けなくったって車いすがあるし頑丈な母のおんぶもある。それでいいじゃん。って。その日を境に立たせるリハビリはやってない。そのかわり沢山唄を歌った。風船でキャッチボールもした。彼女はうれしくてケタケタわらってる。わたしも鬼じゃなくなった。得意な遊びといえば風船飛ばしが大好き。右手でポーン真上にあげてまた右手でキャッチ。これを何度も繰り返す。ほんとに風船が大好きだった。ピンク色の風船が。成長と共にする命がけの手術の時も手術室に入る手にはピンクの風船を持っていた。手術室から出てきたときは風船がゆらゆらゆれているので、あ、今回も生きてるってわかった。ぐるぐる巻きの頭の包帯を見ても涙はでなかった。一生懸命戦った証のようでカッコ良かった。でも麻酔のチューブを口から入れるときにぶつかったんだろう、、少し動いていた前歯の乳歯が一本欠けていた。くちびるにはその時の血が少し着いていた。それをガーゼでやさしくふいてあげていたら、、悲しくてね涙がでちゃったね。こんな小さな子が前歯を折りながらも頑張ったんだもの。そんないっぱい泣いていっぱい笑っていっぱい頑張った彼女の「少女時代」。
2005年04月13日
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