松毬の丘で。

2006.01.20
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カテゴリ: 趣味
原作は後深草天皇に仕えた二条という女性で、いがらしゆみこ氏が漫画を描いたのこの本は、前から持ってるのですが、(文庫版も確か出ていたはず)


時は、鎌倉時代の初期の初期で、実権は、鎌倉に握られていき、「政治の中心」では無くなっていく貴族社会が、かつての栄華の中によすがを求めようともがきつつ、現実から逃避するように、遊びと戯れの恋で日々を虚しくして行く中で、彼女自身、流されつつも、自分をしっかりと持った、自立した女性として、主人公(作者本人)が描かれていて、まあ、よくこの赤裸々な告白本みたいなものが、千年ちかくも、散逸せずに残っていたものだと驚きました。

彼女自身、父親の違う子供を3人出産している事もあって、勿論、性描写が多いのですけれど、今とは貞操観念とかが、かなり違うので、そこらへんは、今読んでも、抵抗が無いように構成してあると思います。

で、以前読んだ歴史読本みたいなのに、やはり、この「とわずがたり」は出てきたのですけれど、そちらでは、「乳母も雇えないなんて」と、嘆く場面があると書いてありますが、こちらの漫画では、自分の子供と、一緒に過ごす幸せ、と世話をする様子が描かれています。

出産後、顔も見ずに離れてしまった子供がいたため、その方が、今の私たちには自然な流れに見えますが、当時、貴族に生まれているのに、乳母も雇えず、自分で世話をすることなど、「あり得ない」事だったらしいです。
自分の子供は人に世話をさせて、自分はもっと上の身分の方の乳母をする…そういう構造になっていたそうで。
まあ、勿論、子供が増えれば、自分で全くしないという事はなかったでしょうが、手ずからってのは「はしたない」という時代でしたし、だいたい、昭和になっても、乳母制度は続いていたのですから。それほど、強固な伝統だったのですよね。考えてみれば。
おまけに、家庭教師も兼ねてるし。今に当てはめるなら、24時間保育の高級幼稚園(遊び相手付き)の先生を付けていたようなもの。それが当然だったとしたら、愚痴がこぼれても当然かもしれません。


長い年月と、それまでにあった様々な事を考え合わせると、複雑な気持ちになります。

なんか、今、この「とはずがたり」を元に、新しい漫画が始まっていると、噂で聞いたんですけどね。
読んでみたいような、ちょっと待ってた方が良いのか、(どうしても、時代物は作者が慣れるまで、絵が安定しないから読みずらいのよ。)考え中です。





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最終更新日  2006.01.20 15:37:19
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