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先日、ある競馬とは別の公営競技の、とある選手の方とお話をする機会がありました。
曰く、彼が仲間と連れだって、大井競馬場に行く機会があったと。
普段競馬に興味があるわけではないけれど、折角来たのだから馬券にもチャレンジしようと、検討開始。しかし……新聞見てもどの馬がどうなのかサッパリわからないし、3連単だなんだと賭式も複雑。マークシートも種類が多すぎてわからない。だから馬券も殆ど買わなかったと。
一方で、その選手の方の後輩は、実は地方競馬の馬主。場所がどこだかを書くとすぐわかってしまうので書きませんが(笑)、その後輩の所有馬が出走するというので、車を2時間飛ばして応援に行ったそうです。
このときは、もうその馬を買えばいいので、応援馬券をガッツリ買って、しかもその馬が見事に勝利。応援も出来てしかも儲けて帰れたと、楽しい日を過ごせたそうです。
本当に短いエピソードでしたが、実に示唆に富む話が聞けたと思っております。
ポイント はいくつかあります。
その1 競馬に不慣れな人に、今の日本の競馬新聞を読みこなせというのは無理
その2 そこから更に、例えば3連単を買うために複数の馬をピックアップせよと言うのはハードルが高すぎる
その3 もっと進んで馬券を当てるとなると、高度な賭式ほど当てることが難しすぎる
その4 逆に、1頭の馬に着目させることが出来れば、馬券に参加してもらうことは案外容易
その5 競馬は、馬券が当たれば無条件に面白く、楽しい
いま、JRAも含めてどこの競馬場でも、またどこの公営競技場でも、また世界中の賭事ビジネスの現場でも、 新規顧客の取り込み というのが大きなテーマになっております。
上記のようなポイントは、そうしたビジネスに関わる人が常に意識すべきことで、そうでなければ、レースに興味を持ち、券を買うという形で参加してもらう新たなお客さんを作り出すことは難しいと。昨年秋の アジア競馬会議 の中でも、共通認識として議論されたところでもあります。
いま行われていることを、
(1)来場してもらい
(2)参加してもらって
(3)楽しんでもらう
…という3つのステップでよく見て、それぞれのステップでハードルを越えて「こちらに来てくれる」新規顧客を獲得するために何をすればいいのか。色んな角度から、色んな人が考えているところでしょう。
その中で、「馬券」「賭式」という切り口で物事を考えたとき、一番望みがあって、一番今まで軽んじられてきたのが
「複勝」
であると。最近私は考えているのです。初心者にも、3つのステップを一挙に飛び越えてもらえる、強力な武器になりうると。
競輪や競艇では、「番組」つまりレース毎のメンバー構成を人為的に操作することにより、ハードルを低くすることが可能です。当たりやすい番組作りは、売り上げに「ある程度」貢献すると言うことは、経験的に明らかなところ。これはもはや共通認識と言って差し支えないでしょう。
しかし、馬という生き物が関わる競馬では、多くの場合「番組」で当たりやすくしたり難しくしたりは出来ません。
ですから、より一層「賭式」というものを売る側がどのように認識し、お客さんに提供するかが大事になってくるはずなのです。
いま、多くの地方競馬場で、 「単複馬券」の価値は毀損されております 。
票数が伸びない。従って儲からない。高額勝負をすれば、自分でオッズを下げてしまう。売れない方向へスパイラル的に進んで行っているようにも見えます。
しかし、先週お話しした 「JRAプラス10」 は、複勝馬券の可能性を改めて見直す契機になるのではないでしょうか。
中山金杯が行われた日の中山の売り上げを調べてみました。
全売り上げに対する、 複勝馬券の占める割合
(シェア)です。
2005年 2.11%
2006年 3.40%
2007年 3.76%
2008年 3.91%
2009年 4.10%
(出展:JRAVANの票数データ)
2009年はそれまでの年と違って、3連単馬券が朝の1レースから発売されております。つまり、賭式毎に投じられる額はより一層希薄になるはずなのですが、それでも複勝馬券のシェアは伸びております。 その影響を除外すれば、複勝の実質の伸びは数字以上のものになっているはずですし、朝の未勝利戦に限ればもっと高いシェアになっているはずです。
複勝馬券のパイが大きくなれば、大きく勝負する「玄人」のお客さんも参入できる。そうなれば配当的な楽しさが生まれるから、初心者や小口のお客さんでも十分勝負になる。何より複勝は、他のどんな馬券よりも参加しやすい。
こういう循環を生み出せないか、などと考えながら、私自身は自ら単複勝負を自らのテーマとして、日々馬券勝負に取り組んでおります(苦笑)。
いや、楽しいっすよ、単複勝負って。ホント。
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