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2016年10月12日
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カテゴリ: 坂田 博昭
 水曜日の担当は、坂田博昭です。
 先週に続いて、北海道中部・空知の主要な町である滝川を訪れます。
 前回は滝川の市街地を探訪しましたので今日は場外発売所に出かけてみましょう。
  
Aiba滝川 。先週ご紹介したまちの中心部から車で5分ぐらい。歩くとちょっとキツいですが15分ぐらいと案内されているそうです。
 国道461号線沿い。交通量の割合多い道路の交差点角地に、こんな感じで立っています。
 2003年に滝川のまちにミニ場外として開設されたAiba滝川。2015年の春にこの場所に移転してきました。
 移転前の場所に訪れたことがないので、私自身は比較がつかないのですが…

 先週も紹介した、かつてのAiba滝川所在地(いまは廃墟のみ)
 前の場所は「地下にあって天井が低い」感じ、加えてデパート本体は衰退してたとのことですからねぇ…。
 移転に際して設営に携わった皆さん方は、相当に雰囲気作りも意識されたのではないかと、そのご苦労がしのばれます。実際、移転して「綺麗になった」と評判は上々だとのこと。

 いまの新しいAiba滝川は、こんな感じですから。

とにかく明るい滝川! (笑)  そして清潔感溢れる雰囲気!

 3年前にJRAの馬券を売るようになってから、Aiba滝川の入場も売上も週末については増えていき、いまこの場所に移転してからは週末の入場人員が重賞のない週末日でおよそ300~400名。
 G1の日には800名にものぼり、メインレースの時には立錐の余地もないほどお客様がお集まりになるそうです。

 ここでは、 ばんえいも人気があるそうです
 JRAの開催が終わったあとでも、帯広の馬券を楽しむお客様が3~40名ほどは残っているとか。
  
 5~6年前は、ホッカイドウ競馬に対してばんえい帯広は開催日数が2倍弱なのに対して、売上が3倍にものぼっていた年もあり、この土地の「ばんえい熱」とでも言うべきものを窺わせる記録が数字でしっかり残っています。
 その背景は、この稿を書くにあたっては調べがつかなかったのですが…恐らく農耕馬などとの関係が深い土地柄なのかも知れません。

 席が多いのも、Aiba滝川の大きな特徴。皆さん思い思いの場所に陣取って、競馬を楽しんでおられました。

 ここ滝川でも 「Aibaまつり」 のイベントを年1回実施。この場外発売所のAiba祭は、競馬を主催する北海道の競馬事業室や、競馬を実施する北海道軽種馬振興公社の主導により、空知振興局や滝川市などの協力を得て行われているそうです。

 移転した事実を周知して、お客様の取りこぼしを最小限にするために昨年実施したものが、今年も実施されました。位置づけはあくまでも既存客への「感謝祭」的なものですが、2年目も一応継続したことで、今後の展開が注目されます。
 このまま「給付型」のサービスを続けるだけでは、集客には結びつきませんから… 

 所長の 佐々木裕さん 。現職4年目。
 富良野のご出身で、長らく滝川の市役所にお勤めになり、福祉関係を中心に活躍されたのち、Aiba滝川でお勤めだとのこと。

 ここ滝川で長く時間を過ごし、景色や空気の変化を肌で感じてきた佐々木さんに、滝川の街の変化についても聞いてみました。

「東西南北、交通の要衝としてそれぞれに町や産業と繋がりながら発展してきたのが、滝川のまちです。とりわけ赤平や芦別の炭鉱との間で人や物や金が行き来していた頃に、滝川のまちも賑わいましたね。
 周辺の産業の衰退とともに滝川も寂しくなっていったんですが、駅周辺の商業施設でいえば駅前の西友の撤退は大きかったですね。それで一気に寂れていきました。」



 旧西友は「スマイルビル」という名前で何とか生き残っているのですが、ビルの中は店舗も少なく、佐々木さんがおっしゃるとおり寂しい限り。まさに町の発展の象徴だった中心部の大型商業施設の撤退が町の命運を左右しているわけですが…

 実はいまそういう動きが、町中心部の商業施設を衰退に追いやった「主役」とも言えるロードサイドの大型商業施設にも波及しているというのは、実は東京などの都市部ではあまり知られていないでしょうか…。よく報道を見ると、セブンアンドアイやイオンの業績低迷や店舗整理の話題が、新聞などの紙面に顔を覗かせることがしばしば。

 地方の町の時の流れは、いまそこまで進もうとしています。


 それはともかく。Aiba滝川の話。

 かつて周辺の町との繋がりがある土地柄だけに、場外発売所もそうした周辺の町からの集客が支えているそうです。

「西は留萌、南は砂川、美瑛に芦別、その他空知の小さな町村など、幅広くお客様がお越しです。そもそも、そうした場所に住むひとたちは、JRAの馬券を買おうと思ったら、札幌まで行かなければならなかったんですよね…。」

 道央道が直結している滝川砂川でも、札幌までは1時間半。留萌なんて滝川まででも1時間以上はかかる場所。そうした場所に馬券を買って競馬を見る楽しみが提供されていると思うと、この地域の小さな場外発売所の存在が、とても大きなものに思えてきます。

「個人商店なんかはどんどんつぶれてしまって、大企業が入ってくるけれども…よそから来ているひとたちだから、地元としては心配なんですよね、やっぱり。いついなくなってしまうかわからないから。」

 …というのは、ここ滝川の地にあって、このまちをずっと見つめてきた佐々木さんの実感でしょう。

 そこで重要なのが、JRAではなく北海道が運営するホッカイドウ競馬がこうして地域にくさびを打つように拠点を持って、活動していることの意味なんじゃないでしょうか。
地域の競馬は、「地元」の産業。 それがしっかり根を下ろして、そして 地元にとってかけがえのない場所、経済的にも潤いをもたらす場所 であり続けること。抽象的に「地域の競馬は何とか続けて行くべし」と呪文のように唱え続けられる以上に、その場所があり続けることの意味を感じさせられます。

 あとは、ひとびとにとっての場所の意味、ですよね。

 冬は深い雪に包まれる滝川…
「いまはもう、お年寄りが行く場所がないんです…。
 私は競馬は詳しくないんですが、こうして仕事の中で見ていると、Aibaに来て頂ければ、頭も使うし、友だちも出来る。食べるものもあれば、冬の燃料費もここにいるだけで浮くじゃないですか。おまけに競馬自体は100円で楽しめる。こういう場所の存在は、貴重なんじゃないでしょうか。」


 冬のAiba滝川の場内の様子
 深い雪をついて多くの方が訪れ、大変盛況
 「地域」の「競馬」というものの、生活に極めて近いところでの「かけがえのなさ」というものを意識させられます。
 競馬が続くことによって、人々の心が繋がり、ひとびとの「いのち」がつながる。

 佐々木さんの話を聞いて、そんなふうに思わずにはいられませんでした。





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最終更新日  2016年10月12日 00時23分51秒
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