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第9回本格ミステリ大賞このミステリーがすごい 2009年版 国内編 第3位【このミステリーがすごい より】不可能犯罪をたくみにからめた恋愛ミステリー牧薩次・・・。この名前を見てニヤリとするミステリーマニアは大勢いるに違いない。そう、読者を犯人に設定するという離れ業に挑んだ、ジュブナイル・ミステリー『仮題・中学校殺人事件』で本格的なデビューを飾った辻真先。その作品に多く登場する探偵コンビ、牧薩次・可能キリコの一人であることは言うまでもないだろう。「薩次と僕は二重胎児なのです。心臓部に刻まれたミステリの赤い瘢痕が、二人の共通項なのでありましょうか。」と後書きにあるように、自らの分身の名を使うという稚気+α(その本当の意味は読後に判明する)を実践したのが本作である。会津の山奥にある刀掛温泉に住む叔父の元に疎開した本庄究(ほんじょうきわむ)は、離れに疎開中の有名画家・小仏画伯の娘、朋音と知り合い恋心を抱く。終戦になり村にやってきた進駐軍将校が殺される事件が起きる。究は容疑がかかった朋音をかばい、ある夜忍んで来た女性と一度きりの契りを結ぶ。究は小仏画伯の弟子となり、徐々に画壇で頭角を現していく。一方資産家と結婚した朋音は一人娘の火奈を産むが昭和三十七年に死亡してしまう。究は悲嘆にくれるが、自分の娘であると確信している火奈の成長を心の支えにしていた。だが昭和四十三年、究の目の前で悲劇が起きる。戦時中から昭和末期にかけて、心に純愛を秘めて生き続けてきた男の生涯と、彼が遭遇した三つの不可能犯罪をたくみにからめた恋愛ミステリーである。信州と沖縄の間を凶器が瞬間移動する二つ目の事件の豪快さはトリックの名手の面目躍如だ。さらに恋愛小説の中に埋め込まれていた伏線が過不足なく回収された瞬間、それまで陳腐に見えたトリックがまったく違った光芒を放ち始めるのだ。さらに何作かの前例があるとはいえ、ある昭和の大事件も作品中に取り入れてしまう趣向も見逃せない。全く衰えを見せないミステリー界の長老が放つ、渾身の傑作である。【感想】全然知らない作家さんでしたが、《牧薩次》さんは、作家:辻真先(つじまさき)さんの別筆名。辻さんは「鉄腕アトム」はじめ数多くのアニメ脚本でも知られ、1982年「アリスの国の殺人」で日本推理作家協会賞を受賞しています。《マキサツジ》を並び替えると《ツジマサキ》になります。あとがきを読んだとき、この二人は双子なのか、同一人物なのか?と悩まされましたが、77歳という御大のアナグラムに隠されたヒントが明かされるなど、終盤はもちろん全編読み応えありました。敗戦から現代までの日本と主人公らの動向があいまり、年代記風な所が自分好みでした。主人公の究(きわむ)は、空襲で家族を失っても、親戚の家で頭脳優秀で性格も良さげ。周囲の人にも気に入られて田舎に溶け込んでます。そんな彼が人生イロイロで、やがて終焉をむかえるのですが、、。彼が愛する女性の朋音は、娘・火菜、孫:友絵と、生まれ変ったかのように、彼の前に立ち現われますね。完全恋愛という題名の意味がラストで分かりますが、。それにしても、こんな風に勘違いしたままで、満足して死んで良いのですか?とか、見送る側も心残りないのかですか?とか、思ってしまいました。じぶんが女だからですかね。でも、今にも、息を引き取ります。という瞬間に真実を告げられても、「え!今いわれても!」ってことになるわけで。。傍から見れば自己満足にしか見えなくても、自分の核ともいえる大切な部分は壊されたくないもんです。穏やかに旅立つ場面を見送るしかないのかも?。この主人公らのように、肝心な核心部分はとうとう語らずじまいに終わってしまうってことが人生にはあるのね、、といった余韻があとを引きました。
2010年01月31日
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収録作品「流れ星のつくり方」「モルグ街の奇術」 「オディ&デコ」 「箱の中の隼」「花と氷」 『背の眼』『骸の爪』の探偵役・真備庄介とその助手北見凛、そして真備 の旧友である、ホラー作家・道尾の活躍が描かれる、真備シリーズ初の短編集。【感想】同じく短編集の『鬼の跫音』 よりも、ダークさは全然薄め。『鬼の跫音』は鈴虫の音が聞こえてきそうな重苦しさ。作品としては上かもしれませんが。、真備シリーズも三作目となり、こなれてきたような。『背の眼』だけよんだことあります。このときは、主要人物らのたわいのない会話が、ちょっとしっくりこなかった。本作は、著者と同名人物の道尾と、探偵役の真備のやりとりや、ふたりの力関係が定着してきたようです。このふたり、学校の同窓生で『背の眼』でひさしぶりに再会し、事件に突入。『花と流れ星』では道尾が余暇に真備の事務所をフラリと訪れ邪険にされたり、使われたり、。事務所の女の子に道尾は気がある風。三人のバランスが整ってきた感じですよね。道尾秀介さんの本 感想
2010年01月28日
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【内容】 「勇気はあるか?」岡本猛はいきなり現われ脅す。「見て見ぬふりも勇気だ」五反田正臣は警告する。「勇気は実家に忘れてきました」渡辺拓海は言う。検索から、監視が始まる。漫画週刊誌「モーニング」で連載された。【感想】映画『ゴールデンスランバー』はじまりましたね。主演の堺雅人さん、おもろそうな方ですね~。『ジェネラル・ルージュの凱旋』の時とはガラッと変わってるみたいですね。『南極料理人』も見たい。。どれもDVDかTV放映を待ちます。。この『ゴールデンスランバー』執筆と同時期に並行して連載していたのが本作『モダンタイムス』です。『モダンタイムス』には『魔王』の設定が受け継がれてはいますが,内容的には『ゴールデンスランバー』の方に近いようです。これらの作品がお好きならば,ぜひともお読みください。 『魔王』から50年後、徴兵制のしかれた日本。主人公渡辺拓海はシステムエンジニア。恐妻家で、ある晩マンションに帰ると、見知らぬ髭の男に「勇気はあるか」と問われ、拷問にかけられる。髭男は、妻からの「浮気を白状し、相手について白状するように」という依頼で渡辺を殴り、椅子にしばりつけ、爪をはがそうとする。。翌日、出社すると、先輩からシステム開発の仕事をひきつぐことになる。出会い系サイトのシステムの開発らしいが、やがて、「播磨崎中学校事件」「安藤商会」「個別相談」というキーワードが浮かび上がる。これらを検索にかけた者には、なんらかの危害が降りかかることに。上司は自殺に追い込まれ、髭男は家を放火され、先輩は失明。。これらのキーワードが意味するものは、果たして何?そうそう、”イサカコウタロウ”という作家が登場しますね。性格悪そうな。みなさん、自身を作品に登場させるの好きですね。道尾さんもやってたし、有栖川さんとかも、思い出せないけど、結構多いですよね。ミステリ作家だったらわたしもやってみたい、つまり、一種の夢なんでしょうか。おもしろ~い。安藤商会?そうです。『魔王』は安藤兄弟の物語でした。あの、未来に核で国を滅ぼすだろうという首相を排除しようとした安藤兄とその弟。主人公は、特殊能力を兼ね備えていて。。とはいえ、『魔王』とそんなに関連性は強くないので、独立した物語としても読むことが出来ます。 伊坂さん原作の映画は『重力ピエロ』しか見てませんが、これがめっちゃ良かった。なにより原作が好きです。時間が経つと、良かったものが解りますね。また読みたいし、また見たいから。映画作品陽気なギャングが地球を回す(2006年 監督:前田哲、主演:大沢たかお) アヒルと鴨のコインロッカー(2007年 監督:中村義洋、主演:濱田岳) 死神の精度(2008年 監督:筧昌也、主演:金城武) フィッシュストーリー(2009年 監督:中村義洋、主演:伊藤淳史) 重力ピエロ(2009年 監督:森淳一、主演:加瀬亮) ラッシュライフ(2009年 東京藝術大学 大学院 映像研究科製作、主演:堺雅人) ゴールデンスランバー(2010年 監督:中村義洋、主演:堺雅人) グラスホッパー(詳細不明) 伊坂幸太郎/著イサカ・コウタロウ1971年千葉県生まれ。1995年東北大学法学部卒業。1996年サントリーミステリー大賞で、『悪党たちが目にしみる』が佳作となる。2000年『オーデュボンの祈り』で、第5回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞しデビュー。2003年『アヒルと鴨のコインロッカー』で第25回吉川英治文学新人賞を、2004年「死神の精度」で第57回日本推理作家協会賞短編部門を受賞した。著作に『オーデュボンの祈り』(新潮社)『ラッシュライフ』(新潮社)『陽気なギャングが地球を回す』(祥伝社)重力ピエロ(新潮社)『アヒルと鴨のコインロッカー』(東京創元社)『チルドレン』(講談社)『グラスホッパー』(角川書店)『死神の精度』(文藝春秋)『魔王』(講談社)『砂漠』(実業之日本社)『終末のフール』(集英社)『陽気なギャングの日常と襲撃』(祥伝社)『フィッシュストーリー』(新潮社)『ゴールデンスランバー』(新潮社)がある。
2010年01月27日
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小鳩君と小佐内さんは、恋愛関係にも依存関係にもないが互恵関係にある高校1年生。きょうも2人は手に手を取って清く慎ましい小市民を目指す。それなのに、2人の前には頻繁に謎が現れる。名探偵面などして目立ちたくないのに、なぜか謎を解く必要に駆られてしまう小鳩君は、果たしてあの小市民の星をつかみとることができるのか? 新鋭が放つライトな探偵物語、文庫書き下ろし。 【小市民】シリーズ第一弾●収録作品「羊の着ぐるみ」「Your eyes only」「おいしいココアの溶き方」「はらふくるるわざ」「狐狼の心」【感想】最近はまってます、米澤作品。その中でも、題名がかわいらしいこのシリーズは、読んでみるとけっこうシビアな時があります。三作目の『秋期限定くりきんとん事件』は堂々たる本格派ミステリとしての評価も高いですね。登場人物は主要のふたりが個性的です。小鳩くんと小山内さん。この二人が同じ高校に入学することが決まるシーンから始まります。二人がどういうカップルなのかは、読んでみれば解りますが、普通のカップルとはちょっと違ってるのですよね。。「狐狼の心」の章で、なるほどね~っと。せっかくシリーズですから、やっぱり順番に読む方がいいですよね。ズッシリ読み応えある本ではなく、ちょっと息抜きに、軽めのものを読みたいなって時にオススメでしょうね。米沢穂信 著作 『さよなら妖精』 『犬はどこだ』『ボトルネック』 『インシテミル』 『儚い羊たちの祝宴』 『追想五断章』 【小市民シリーズ】 『春期限定いちごタルト事件』 『夏期限定トロピカルパフェ事件』 『秋期限定栗きんとん事件』 【古典部シリーズ】 『氷菓』 『愚者のエンドロール』 『クドリャフカの順番 』 『遠まわりする雛』 『ふたりの距離の概算』
2010年01月22日
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このミステリーがすごい 2007年版 国内編 第10位本格ミステリ・ベスト10 2007年版 国内編 第4位小市民たるもの、日々を平穏に過ごす生活態度を獲得せんと希求し、それを妨げる事々に対しては断固として回避の立場を取るべし。賢しらに名探偵を気取るなどもってのほか。諦念と儀礼的無関心を心の中で育んで、そしていつか掴むんだ、あの小市民の星を! そんな高校2年生・小鳩君の、この夏の運命を左右するのは〈小佐内スイーツセレクション・夏〉!? 待望のシリーズ第ニ弾。解説=小池啓介【感想】2007年の「このミス」でランク入りしていた時は、題名が変わっているけど自分好みの話かどうか保留にしてました。紹介文を読んでみても、互恵関係だが依存関係ではないコンビというのはなんなんだ?という印象でした。今回、米沢さんの本に大分慣れ親しみ(笑)、【小市民】シリーズを古本屋でみつけ大人買いし、早速第一弾から読みはじめました。お気楽そうな題名のような、軽いタッチかと思いきや、。スイーツ満載のエピソードに騙されますね。<小山内スイーツセレクション>という企画が楽しいですが、彼女のカワイイ見た目にも騙されると痛い目に合います。それが『秋期限定栗きんとん』の瓜野くんだったわけで。確かに全編スイーツはおいしそう。しかし主人公ふたりのキャラは、まったく一筋縄ではいきません。小山内ゆきの<狼>キャラはぐっときます。一方の小鳩君が<狐>なのは笑っちゃいますけど。同じ賢くても、もうちょっと別の動物ってなかったか。小鳩くん、そんなにこずるくはないでしょう?動物にたとえるなんて、ちょっと寓話的ですね。内面が語られない、謎の女性というと、自分の中で一番は東野圭吾の『白夜行』あるいは宮部みゆきの『火車』でしたが、小山内さんもかなり謎ですね。一体彼女は過去何があったんですかね。この巻で破綻したふたり、『秋期~』で復活のきざし、『秋期~』では、またいかなる事件が繰り広げられるのでしょう。米沢穂信 著作 『さよなら妖精』 『犬はどこだ』『ボトルネック』 『インシテミル』 『儚い羊たちの祝宴』 『追想五断章』 【小市民シリーズ】 『春期限定いちごタルト事件』 『夏期限定トロピカルパフェ事件』 『秋期限定栗きんとん事件』 【古典部シリーズ】 『氷菓』 『愚者のエンドロール』 『クドリャフカの順番 』 『遠まわりする雛』
2010年01月22日
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このミステリーがすごい 2010年版 国内編 第10位【このミステリーがすごい より】甘いタイトルにビターなテイスト好評シリーズ第三弾『春期限定いちごタルト事件』、『夏期限定トロピカルパフェ事件』に続く好評の【小市民】シリーズ第三弾。前作で別れを告げた小鳩君と小山内さん。さっそくクラスメートから交際を申し込まれる小鳩君。そんなおり市内ではあいついで放火事件が起きる。新聞部の一年生瓜野は郊外の事件を積極的に取り上げるべしと主張し、放火事件に目を付ける。「恋人」の小山内にいいところを見せようと、瓜野は新聞紙上で犯行の予測をするが。。。隙のないプロットから導かれる、読者の予想を裏切る驚きのラストは健在。ひねこびたキャラが存在感を見せ付ける。題名は甘いが内容は苦い青春ミステリーである。【ミステリ ベスト10より】高校生達のかけひきがあり大げさな言い方をするなら政治的暗闘が展開舟戸高校新聞部の学内新聞は、毎年定番の記事を載せ続けていた。一年生部員の瓜野は、それが不満で仕方ない。彼は学校外の出来事も取り上げたいと主張するが、堂島部長の反対を覆すことが出来ない。しかしm瓜野にも学校外の記事を書けるチャンスがめぐってきた。彼は木良市で起きている連続放火にある共通性を見つけ、次に起きる場所を予測し新聞に掲載した。その予測が当たり、やがて新聞部長の地位を手に入れた瓜野は、自分達で犯人を捕まえようと意気込む。そんな彼が現在つきあっている相手は、小山内ゆきだった。一方シリーズ前作『夏期限定トロピカルパフェ事件』で小山内とのコンビを解消した小鳩常悟朗は放課後、教室に呼び出されクラスメートの女子とつきあうことになった。復讐を無上の楽しみとする小山内ゆきと、名探偵の才能がある小鳩常悟朗が互恵関係を結び、自分たちの性癖を隠し小市民として生きようとする。それが【小市民シリーズ】だが、いつも彼らは自らを抑えきれず能力を発揮してしまう。そして、前作では二人の関係が破綻したのだった。続く本作では、小山内と小鳩の再会を描いており、(大長編とはいえないものの)著者初の上下巻となっている。扱われるのは連続放火の犯罪だとはいえ、死者が出ない事件である。また、マスメディアではなく、ミニメディアをめぐる物語にすぎない。そうした「日常の謎」もので、なぜ上下巻である必要があったかというと、本作が一種の複雑な政治的力学を描いているからだ。新聞部内の路線対立、学校の生徒指導部と新聞部で生じた摩擦。また、小山内は恋人の瓜野、小鳩は友人の堂島部長を通じて新聞部に接近する。ここには高校生達のかけひきがあり、大げさな言い方をするなら、政治的暗闘が展開されているのだ。本書では小鳩の推理と共に、そんなかけひきの面白さも読みどころとなっている。【感想】【古典部シリーズ】と同じく、高校生たちのおはなし【小市民シリーズ】小市民とはなんぞや?それは、自らの能力をひけらかすことにより、痛い目にあった主人公らが、「能ある鷹は爪を隠す」ごとくに、能力をかくし、目だたず、小市民として過ごすが信条、というもの。能力といってもべつに超能力とか、そんなSFチックなことではなく、なんにつけホームズのように、生活上の小さな謎も、ついつい解いてしまうといった癖の持ち主が、主人公の小鳩君です。さらに、彼のパートナーだった小山内ゆきは、ちっさくてオカッパという外見に似合わず、内面はかなり頑堅そう。しかも彼女の内面はこれまでの三作とも、まったく語られずなので、謎めいた女の子です。本作では小山内ゆき側の語り手に瓜野くんという新しい彼氏が登場します。このかれが終盤ひどいしっぺ返しを受けるトコロが、可哀そうだけど、なんでかスッキリしました。やっぱり、小鳩くんと小山内ゆきのコンビが復活してくれたほうが、読者としては嬉しい。実際、この高校生達は、物事の通し方、目的までの道のつけ方を知っている。小鳩君は、省エネな生き方を信条とする【古典部シリーズ】の奉太郎とまったく同じサイドの人物で、頭脳派。それにしても、、こんなキャラたち、体育会系な人には理解できないでしょう。若いうちはもっと全力出して生きたほうがいいんじゃないの?でも、、読書が好きな趣味人には、どこか波長が合うような。紆余曲折な?人たち。舞台が高校で、人物が高校生たちだけど、ライトノベルっぽくない、本格派。ちっさくまとまってないのが、すごいし、読み応えあり、裏切りません。米沢穂信 著作 『さよなら妖精』 『犬はどこだ』『ボトルネック』 『インシテミル』 『儚い羊たちの祝宴』 『追想五断章』 【小市民シリーズ】 『春期限定いちごタルト事件』 『夏期限定トロピカルパフェ事件』 『秋期限定栗きんとん事件』 【古典部シリーズ】 『氷菓』 『愚者のエンドロール』 『クドリャフカの順番 』 『遠まわりする雛』
2010年01月22日
【内容】全米ベストセラーの傑作長編 カリフォルニアに住む5人の女性と1人の男性が集まって、ジェイン・オースティンの6つの小説を読む会を開いた。3月の『エマ』から始めて8月の『説得』まで交代で誰かの家で催される。全米ベストセラーとなったこの小説はそんなユニークな設定で展開する。読書会を提案したのはジョスリン。50代の前半で、分別ざかりの女性だが、無闇に男女をくっつけようとする癖がある。シルヴィアはジョスリンとは幼い頃からの親友だが、いま夫から離婚を申し出られている。夫婦にはアレグラという娘がいて、これも読書会のメンバー。アレグラは素晴らしい美人だが、レズビアンである。会で一番の年配がバーナデット。最近は吸血鬼を真似て鏡を見るのをやめたとかで、ひどい身なりをしている。一番若いのが高校のフランス語教師プルーディー。笑うとチェシャ猫とは逆に口が見えなくなる。この5人の女性は筋金入りのオースティン愛好家だが、会の唯一人の男性メンバー、グリッグはSFマニアでオースティンは読んだことがない。物語は、オースティンを読み進む間にこの六人の身に起こる様々な事件と悲喜こもごもの人間模様を、皮肉とユーモアを交えて実に巧みに描いていく。そして最後に思いがけない人同士の結びつきや別れが……。「あなたが愛読書リストにオースティンを入れていないことに気づいて少々腹を立てています。この遺漏については必ず謝罪していただけるものと思います」──19世紀のある裁判官から友人への手紙。【感想】作家ジェーン・オースティンを知ったのは、映画「いつか晴れた日に」を見てが、きっかけかな?原作が『分別と多感』。同じく、オースティン原作の映画「エマ」も見ました。18世紀ごろの価値観など、目新しくもちょっと退屈感もありました。映画作品で、一番素敵だったのが、キーラ・ナイトレイ主演の「プライドと偏見」です。とっても惹かれるものがあり、これは原作も読みたいと思って『自負と偏見』を読みました。同じ原作でも、もっと現代的なのが『ブリジット・ジョーンズの日記』でした。この『ジェーン・オースティンの読書会』は、オースティンを全く知らなくても大体大丈夫じゃないかと思います。読書会メンバーの話が、メインですよね。その読書会のテーマである、オースティン作品についての、四方山ばなしやメンバーの持論みたいなことを理解したいと思ったら、原作を知ってたほうが良いんでしょう。わたしも、だいぶ記憶が薄れていたのですが、『高慢と偏見』のエリザベスとダーシーの、最初のひどいプロポーズや、『分別と多感』の、最初馬鹿にされていた中年のブランドン大佐という崇拝者が若い美人のマリアンヌを勝ち取るまでなどなど、本読み中に蘇ってきました。思い出すのは、映画のヒロイン役の女優が皆素敵だったこと。「プライドと偏見」では、パイレーツ・オブ・カリビアン』のキーラ・ナイトレイだし、「いつか晴れた日に」では、『タイタニック』のケイト・ウィンスレットで、「エマ」のグイネス・パルトロウといったら、『恋におちたシェイクスピア』でアカデミー主演女優賞の人です。さすがオースティン原作の映画は、配役も豪華。脱線しちゃいました。こちらの『ジェーン・オースティンの読書会』もまた、映画化されたそうですね。本のほうはアメリカでベストセラーになったそうですから当然なのでしょう。この本のおもしろい切り口は、だれにもその人なりの”ジェーンがある”というところでした。たとえば、ひとりめのメンバーのジョスリンは、恋の世話役でありながら自分はずっと独身だった、、。ということです。それで、ジョスリンの生い立ち、人柄、恋話があり、なるほどな~っとなる。特に変わった遍歴ではないけれど、とおりいっぺんな内容でもなく、いかにも、彼女という人が現在こうなのか、、が納得できるし、共感したりしました。ひとりだけSFおたくの男性が登場し、この人がジョスリンに勧めるSF作家が、『ゲド戦記』のアーシュラ・K・ル=グウィンと『航路』『ドゥームズデイ・ブック』等のコニー・ウィリスだったので、ニヤリ。
2010年01月16日
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このミステリーがすごい 2010年版 国内編 第1位【このミステリーがすごい より】安産祈願で有名な神社や老舗の料理屋・商店が立ち並ぶ日本橋人形町。古さと新しさが同居した下町情緒あふれる街を歩くのが、練馬署から日本橋に転勤となった、おなじみの加賀恭一郎である。加賀が、隣町のマンションで起きた一人暮らしの中年女性殺人事件の捜査に携わっていることはおいおいと分かってくる。加賀は、警視庁の刑事として、あるいは単独で煎餅屋、料亭、瀬戸物屋など、地元に住む人々の店を訪れては、事件の本筋とは関係ないような質問を重ねていく。本書は短編として雑誌に発表されたもので、各章が一短編に該当する。いずれも加賀の訪問先の関係者が視点人物となっており、それぞれの店とその家族が抱える問題や、はじめは曖昧だった殺人事件の詳細と、被害者のありし日の姿が、物語が進むにつれ、渾然一体となって浮かび上がる。半村良や宮部みゆきが手がけたような人情話が一つに合体すると、これまでにあまり例を見ないタイプの長編ミステリが出現する。納得のトップである。【感想】とにかく読みやすく、心地よかったです。それにしても人気の東野作品なので、図書館予約も10ヶ月待ち。業を煮やし、古本屋めぐりし、ようやく一冊みつけゲット。そして一気読みでした。ほんとに現代の捕物帳のようでした。上記紹介で宮部作品のようとありましたが、自分は御宿かわせみシリーズみたい、と感じました。加賀刑事は、さしずめ現代の定廻り同心。こんなにあったかい人情の刑事さんて本でお目にかかったことがない感じ。だいたいが、事件解決までの証拠や展開に終始するし、刑事自身がお悩み一杯だったりするし。やがて犯人も分かりますが、全体に、とてもあったかい雰囲気で、誰かがどん底に不幸になり、殺伐~というのが無くて、リラックスできます。とにかく、これまでで一番、加賀恭一郎という人物が、しっくりくる本でした。加賀シリーズというと『赤い指』と『嘘をもうひとつだけ』しか知りませんが、加賀という人物は、事件担当の刑事でしかなく、事件が主役で刑事は脇役という、ちょっと霞がかかっているような、よくわからない印象でした。『卒業』などの、初期作品を知っているとまた違うのでしょうかね。加賀恭一郎シリーズ作品 3.1 『卒業』 3.2 『眠りの森』 3.3 『どちらかが彼女を殺した』 3.4 『悪意』 3.5 『私が彼を殺した』 3.6 『嘘をもうひとつだけ』 3.7 『赤い指』 3.8 『新参者』
2010年01月16日
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このミステリーがすごい! 2010年版 宝島社 定価 ¥ 500 『このミス』は定価500円、ワンコインで極上のエンターテインメント情報をお届けします!「ハズレなし!」と、注目のランキングはもちろん、堺雅人さんのインタビュー、ミステリー好きの著名人によるおススメミステリーなどを掲載しています。また、ベストセラー作家・海堂尊、ドラマ「相棒」のスピンオフ小説でおなじみのハセベバクシンオー、若者に絶大な支持を受ける山下貴光、3名による『このミス』でしか読めない短編ミステリーも特別掲載。 50名以上の人気作家による特別エッセイなど、内容盛りだくさんです。国内編の第1位は東野 圭吾『新参者』、海外編の第1位はドン・ウィンズロウ『犬の力』でした。 このミステリーがすごい! 2010年版 【国内編】1位 『新参者』 東野圭吾 日本橋。江戸の匂いも残るこの町の一角で発見された、ひとり暮らしの四十代女性の絞殺死体。「どうして、あんなにいい人が…」周囲がこう声を重ねる彼女の身に何が起きていたのか。着任したばかりの刑事・加賀恭一郎は、事件の謎を解き明かすため、未知の土地を歩き回る。 2位 『ダブル・ジョーカー』 柳広司 結城率いるD機関にライバル出現。その名も風機関。同じ組織にスペアはいらない。食うか、食われるか。「躊躇なく殺せ、潔く死ね」を徹底的に叩き込まれた風機関がD機関を追い落としにかかるが……。3位 『Another(アナザー)』 綾辻行人 その学校の、そのクラスにはある「呪い」がある。避けられない死の連鎖に挑む少年少女の運命は--新本格の旗手が満を持しておくる、戦慄の青春ホラー。 4位 『追想五断章』 米澤穂信 二十二年前のその夜何があったのか?幾重にも隠された真相は?米澤穂信が初めて「青春去りし後の人間」を描く最新長編。 5位 『犬なら普通のこと』 矢作俊彦+司城志郎 ヤクザのヨシミは、組で現金約2億円の大取引があると知り、強奪計画を練る。だが襲撃の夜、ヨシミの放った弾は思いがけない人物の胸を貫く。それは、そこにいるはずのない組長だった。犯人探しに組は騒然とし、警察や米軍までが入り乱れる。次々と起こる不測の事態をヨシミは乗り切れるのか。血と暴力の犯罪寓話。6位 『粘膜蜥蜴』 飴村行 東南アジアの密林に棲息するという爬虫人〈ヘルビノ〉とは? 戦時中の日本で起こる未曾有の凄惨な事件の数々。現代ホラーの最先端を走る著者の最新作!7位 『仮想儀礼(上下)』 篠田節子 古いマンションの一室。借り物の教義と手作りの仏像で教団を立ち上げた二人の前に現れたのは…。「カルト」の烙印を押された聖泉真法会。さまよえる現代の方舟はどこへ向かうのか―真の救済の在り処を問う、著者の新たなる代表作。 8位 『暴雪圏』 佐々木譲 十勝平野が十年ぶりの超大型爆弾低気圧に覆われた日の午後、帯広近郊の小さな町・志茂別ではいくつかの悪意が蠢いていた。それぞれの事情を隠した逃亡者たちが辿りついたペンション・グリーンルーフで、恐怖の一夜の幕が開く。すべての交通が遮断された町に、警察官は川久保篤巡査部長のほかいない―。超弩級の警察小説。 9位 『龍神の雨』 道尾秀介 人は、やむにやまれぬ犯罪に対し、どこまで償いを負わねばならないのだろう。そして今、未曾有の台風が二組の家族を襲う。最注目の新鋭が描く、慟哭と贖罪の最新長編。10位 『秋期限定 栗きんとん事件(上下)』 米澤穂信 あの日の放課後、手紙で呼び出されて以降、ぼくの幸せな高校生活は始まった。―それなのに、小鳩君は機会があれば彼女そっちのけで謎解きを繰り広げてしまい…シリーズ第三弾。
2010年01月11日
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このミステリーがすごい 2010年版 国内編 第4位【このミステリーがすごい より】失われた短編五編の隠された結末は_ 過去の事件へと繋がる・・?古書店でアルバイト中の菅生芳光は、客の北里可南子から父の書いた小説を探してくれという依頼を受ける。 可南子の父・参吾は、叶黒白(かのうこくびゃく)という名義で五編の短編を書いていた。調査の過程で菅生は、二十二年前に参吾が海外で妻を殺した疑いを受け、大きなスキャンダルに見舞われていたことを知る。そして発見された作品はいずれも結末のないリドルストーリーだった。そして可南子の下には小説に書かれなかった最後の一行が残されていた・・・。リドルストーリーが暗示する過去の殺人の真相と、希望の無い毎日を送る菅生の現在。この二つが巧妙にリンクする。巧緻な仕掛けと豊かな文学性がブレンドされた作者の新境地を示す作品だ。【感想】すごいですね、「このミス」で堂々4位の作品でした。年明け初めて図書館で、スンナリ借りれちゃった一冊でした。毎年楽しみな「このミスランキング」を見たら、四位となってるじゃありませんか。だって、どの本も面白かったですから~。「古典シリーズ」も『インシテミル」も断然よかった。『儚い羊の夢』にしても、うまいな~と、。『儚い羊の夢』も17位とランク内ですし、20位内に、なんと三作品。しかも、作者別得票数集計では堂々の一位の作家さんとなってました!すご~い。いつから注目したかといえば『インシテミル』からだから、まだ2年前くらいです。1位 米澤穂信 32票2位 東野圭吾 24票3位 柳 広司 20票4位 道尾秀介 18票5位 佐々木譲 15票6位 今野 敏 14票7位 綾辻行人 13票 矢作俊彦+司城志郎 13票9位 飴村 行 11票 奥田英朗 11票 篠田節子 11票次点 北村 薫 9票 高城 高 9票 東山彰良 9票 東野さんのトップは当然で、人気、実力、売上げ、すべての分野で名実共にナンバーワン。米澤さん三作品のランクインも特筆ものです。道尾秀介さんも、去年に続きまたも長編と短編集とがランクイン。米澤さん、道尾さんが、やがて大きな文学賞に名を連ねることを。「このミス」の座談会メンバーの方々が、明言しちゃってるようです。本の感想があとになりましたが、。リドルストーリーという結末のない小説を探しだす内、過去の事件や人物に焦点があっていく、、という作りと、必ず、一呼吸後にちゃんと結末を知ることができるのが、なんとも心地よかったです。分からないままだと、どうなるのっという強烈な興味をかきたてられます。結末が分かってしまうと、そこで感じた飢餓感は満たされ、凡作になりますが。、でも、すごい良かったデス。やられたなって感じました。米沢穂信 著作 『儚い羊たちの祝宴』 『さよなら妖精』『犬はどこだ』 『ボトルネック』 『インシテミル』 『春期限定いちごタルト事件』 『夏期限定トロピカルパフェ事件』 『秋期限定栗きんとん事件』 【古典部シリーズ】 『氷菓』 『愚者のエンドロール』 『クドリャフカの順番 』 『遠まわりする雛』 『ふたりの距離の概算』
2010年01月11日
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村上春樹「1Q84」第3巻、4月に発売作家・村上春樹さんの長編小説「1Q84」の第3巻「BOOK3」が2010年4月に刊行されることがわかった。新潮社が2010年1月1日、朝日新聞、産経新聞、毎日新聞に掲載した広告で明かされている。 長編小説「1Q84」は09年5月の発売以来、「BOOK1」「BOOK2」ともに100万部を超えるベストセラーだ。著者の村上さんは09年9月の毎日新聞のインタビューで、2冊で完結を考えていたものの、続編を書いてみたい気持ちになったとして、2010年夏頃を目処に続編を刊行したい考えを語っていた。また、09年10月には、首都圏のJR駅構内25箇所に、「BOOK3」刊行を暗示する広告が張り出され、話題を呼んでいた。【感想】あけましておめでとうございます。遅ればせながら、本年も宜しくお願い致します。いつもご無沙汰しております。コメントアンドTB拒否設定にして長らく経ちました。もしかして、ご愛顧くださっている方、ありがとうございます。もしかして立ち寄ってくださいました方、弱小サイトを今後も宜しくお願いたします。子供の受験や、自分の体調など、バランスをとりつつチョボチョボ続けております。で、、本のはなし。初、村上春樹さんでした。今年、ではなく、もう昨年ですね。爆発的人気本として話題になりました。食わず嫌いの、村上作品でしたが、読みはじめたらあっという間でした。”青豆”さんと”天吾”くんというふたりの語り手が交互に、話を進めていく手法が良かったデス。 二人の接点は何時来るのか?ふたりはどこかで出会うのか?そこの興味が先へ先へと興味をつないでいきました。こういう手法で内容のミステリーはいっぱいあるけど、村上さんは純文学だから、ミステリーにいれてはいけないんでしょうね。でも、ミステリー好きの者も充分楽しめるものだったと思いました。読み終わって、これは絶対続編が読みたいな~っと思いました。そしたら、早速、上記のような記事がでたので、また、楽しみです。
2010年01月07日
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