ある内科医の独り言

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2005.10.22
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先日の ネタと雑感 にもちらりと書いた続き。

東大が600万円(16回分だそうだ)でおおよそ考え得るがん検診を行ってくれるサービスが始まるらしい。高いのか安いのか一概にはいえないと思うのだが、東大病院の教授も「一部の裕福な人に特定のサービスを提供することへの批判は覚悟している」とコメントしていることから、平均年収の人からみれば「高い」ということなのだろう。

さて、この検診はいろんな問題をはらんでいる。

まず検診という制度だ。当たり前だけれどもこれは治療ではない。あくまでも病気などに罹患していないかが検診の目的なのだから、検診を受ける人というのは「自分は(多少不安はあるかもしれないが)健康だ」と思っている人に限られる。

すなわち、(自称)健康な人を医学的側面から見て病気か否かを判断する制度だといってもいいだろう。当然、かかる費用も疾病の治療に使われるべき健康保険の対象にはならない。裏を返せば病院側に値段設定の裁量権がある。

次にその精度だ。検診というのはどこの病院でも同じレベルだと思ってはいけない。当然ピンからキリまであるわけで、価格不相応な場合や値段の割にかなりよさげな検診センターなどその種類は多岐にわたる。結局、サービス以上に精度をいかに高くするかが検診の中核となるわけで東大ブランドの検診もPETなどを導入しその精度を上げようとしているようだ。

そしてブランド。今回の検診を会員制度にしたリゾートトラスト社も「機器の精度だけでなく、検診当日に東大の医師が結果を説明するなど、きめ細かいサービスが特徴」だという。

東大病院が「東大」というブランドを検診に打ち立てる以上、そこには絶大な信頼が求められている。そんなに機能的でもなさそうなヴィトンやグッチの鞄がン十万円もするなんて僕にすれば信じられないことだが、それでも売れているのはブランドに対する信頼があるからだろう。それと同様に「東大」ブランドの検診も位置づけられるのではなかろうか。



今回の東大ブランド検診は

#(自称)健康な人
#経済的富裕層の人

を対象に

#精度の高さ
#東大病院医師の説明付き

と結論づけられるだろうか。

(自称)健康な人というのは意外にやっかいなものだが、東大というブランドにはひれ伏してしまうのかも知れない。ウチで同じような検診をやってみたところで「保険もきかない健康診断でどうして俺がガンになってるんだ」と騒ぎ立てられるのは目に見えている(笑)

ところで今回の東大ブランド検診、満期を迎えぬまま死んだ場合はどうなる?





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最終更新日  2005.10.22 09:57:38コメント(0) | コメントを書く


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