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先日、綾辻行人氏の『十角館の殺人』を読んでいて感じたのだが、登場人物の喫煙率が非常に高い。綾辻氏自身が当時愛煙家であったためかと思う一方、この小説の背景となる1985年当時の日本人の喫煙率は成人男性で65%と三人に二人は喫煙家であった。日本で紙巻きたばこが一般的になったのは明治時代で、当時はハイカラの象徴として嗜まれていたようだ。1875年(明治8年)に初めて『煙草税則』なるものが導入され、1900年には未成年者の喫煙を禁止する『未成年者喫煙禁止法』が制定されている。以降、20世紀は紙巻きたばこ全盛期となり、日常のあらゆるシーンに煙草やマッチが登場する。TVCMは印象的なものが多く、ジェームズ・コバーンの『Speak Lark』のフレーズやら、『Marbolo MAN(2014年に肺がんで他界)』のかっこいい乗馬のシーンやら、『さわやかな~ 二人だけの 世界へ~』の映像やらがいまだに鮮明に印象に残っている。煙草のCMではないが、人気女優の多岐川裕美が紫煙を燻らせながら登場する100円ライター『Vesta』のCMも今思えばシュールな設定であった。そんなTVCMも紫煙の世紀の末期である1998年4月には放送禁止となった。CMのみならず、社会のあらゆる場面で煙草やマッチ、灰皿等は風景の一部となっていた。オフィスでは『チェーンスモーカー』が一体どこで火を消すのかと首をかしげたくなるほど、『アーティスティックに吸い殻を盛り付けた灰皿』や、『列車のひじ掛け』に取り付けられた灰皿から顔をのぞかせている吸い殻、家庭には周囲がやすりになっている『巨大なマッチ箱』があり、喫茶店にはオリジナルの『名入りマッチ』の存在が当たり前であった。映画でも、1990年公開の映画『ダイハード2』ではブルース・ウィルスが人込みのあるロサンゼルス空港(ロケ地)で煙草を吸っているシーンがあるが、今見ると違和感を覚える。20世紀は『紫煙の世紀』であったが、日本でも2002年に成人男性の喫煙率が50%を切り、喫煙者がマイノリティ化している。出典:JT全国喫煙者率調査21世紀になって、『ポイ捨て禁止条例』『健康増進法』『受動喫煙対策』等国内外からの圧力で愛煙家は居場所を追われている。同時に、たばこ税も増税となり経済的な負担も大きくなっている。(現在日本のたばこ税は1本当たり15.2円、因みに世界で一番タバコの高い国オーストラリアは150円/本)
2021.10.14
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無病息災は誠にしかるべく養生のできた生活を送っている証であり、実に素晴らしい事であるが、大抵の場合は元気であることに油断をしてしまう。私のように根が意地汚いと、そのような油断からうかうかと暴飲や暴食などにおよび、翌朝には早速後悔をすることとなる。ところが、そうした後悔の念も夕刻には忘却の彼方に追いやられ、喉を潤すビールの事ばかり考えている。このような毎日を繰り返していると、何やら良からぬものが日々少しづつ蓄積されてゆく。一病息災は身体にリミッターが備わっている状態ともいえる。痛風という激痛を伴うペナルティーの記憶は、軌道修正への高いモチベーションを発揮する。私の経験では痛風の発作は夏場に起きることが多い。最初に発作が起きたのは、15年前のビールがうまい夏真っ盛りの上海であった。私が暮らしていた当時の上海の歩道は、舗装の施しが雑で凸凹としており、痛い足を引き摺って歩くのにえらく難儀をした。夏場は発汗により、尿と一緒に尿酸を体外に排出する量が減少する事も夏場に発作が起きやすい一因のようだ。上海時代はこれまでの生涯を通じ一番アルコールの摂取量が多い時期でもあった。アルコールや食事に含まれるプリン体の摂取にくわえ、アルコールそのものが尿酸産生を向上させ、利尿効果により体液中の尿酸が濃縮されてしまう。白酒は痛風に良い等といい加減なことを言って飲ませようとするお客様もいたが、断じてそのようなことはない。また、激しい運動も痛風の要因になる。痛風の原因で知られるプリン体はエネルギー代謝にで分解されるATPの構成要素で、ATPを分解してADPとなるときにエネルギーを発生させるのだが、同時にプリン体も放出する。ADPは再びATPに合成されるのだが、この合成が間に合わないと余剰のプリン体が肝臓で代謝され尿酸となり、更に尿で排出されない尿酸が血液中にたまり高尿酸血症という状態になる。この高尿酸血症の目安となるのが、尿酸値7.0㎎/dlである。高尿酸血症の状態が続くと尿酸が結晶化し尿酸塩となって関節に付着し、急性関節炎すなわち痛風の発作を引き起こす。残念ながら原理がわかったからといって痛みが和らぐという事はない。
2021.08.30
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酒飲みというのは、酒に関するポジティブな情報には敏感である。ネットで筋肉がアルコールの分解に関連しているという情報を見て、何やら前向きな話なのかと興味をそそられ調べてみることにした。もっとも、筋トレとアルコールというのは相性が悪く、アルコールの摂取によって筋トレ後の筋合成が抑制されてしまい、筋トレ後1~3時間の筋合成が最も活発な時間帯に飲酒をするのは勿体ない事になってしまうらしい。とは言え、その時間帯はビールのゴールデンタイムでもある。さて、アルコールを摂取すると、食道から胃を通り小腸へと流れてゆく。中国の白酒などアルコール度数の高い(50°~65°)液体ではこの道程を体感できる。もっとも感じるのは最初の一杯だけであとは麻痺してしまいよくわからなくなる。主の飲酒活動によって体内に取り込まれたアルコールは胃で20%、小腸で80%で吸収される。吸収の速度は小腸の方からが速いので、胃袋が空っぽで素通りしてしまうと急なアルコールの血中濃度の上昇を招く。やはり空腹時の飲酒は悪酔いするのだ。消化器官で吸収されたアルコールは、静脈を通って肝臓に入り五臓六腑へと沁みわたってゆく。肝臓でアルコールはまずアセドアルデヒドへと分解されその後、更に酢酸へと分解される。このアセドアルデヒドは人体に有害で、フラッシング反応(顔面紅潮、動悸、頭痛、吐き気)や二日酔いの原因ともなるが、次の酢酸へと分解する酵素の量は人によって違うため、酒に強い、弱い等とという違いの一つとなる。酒の強い人というのは結果としてアルコールの摂取量が増えてしまうので、強いから良いという訳ではない。ネットの情報の中身は肝臓で酢酸に分解された後に、筋肉や心臓などに運ばれ更に分解されるというお話。問題となるのは酢酸に分解されるまでのアセドアルデヒドであり、更には過食や過剰飲酒などによる余分なエネルギーの摂取は肝臓での中性脂肪の合成を促してしまう。残念ながら前向きな話にはならなかった。厚生労働省 アルコールの吸収と分解脂肪肝 厚生労働省
2021.08.03
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緊急事態宣言が明け、久々にお客様との会食があった。 あまりに久々過ぎたのか、お会いした時に私が痩せたのは病気のせいだと勘違いしたらしく、会食が始まってからしばらく外見についての会話が無かった。 体調には問題が無いという事を理解していただき、ようやく会話がほのぼのとした。 健康に痩せた時はディスクローズした方がスムーズに会話が成り立つのだと改めて思った。 あまりにあ久々の酒類提供のお店に入店したため、最初のビールで乾杯するときになんとなく周囲の様子をうかがってしまう。 しかしながらそれも3杯目や4杯目となると罪悪感はなってくる。 幸い、今日は正気を保ったまま帰宅できた。 めでたしめでたし。
2021.06.22
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酒の作法について酒を飲みながらそのありようを考えるというのはいかにもあさはかな行為であるが果たして頭を回しているつもりでも、一向に思考がまとまらず愉悦の赴くままに酒ばかりが進むのである。適切な酒量とはいったいどのような量なのか?厚生労働省には飲酒のガイドラインというものがある。かかかるお役人方が皆このガイドラインに従って飲酒を嗜んでおられるのかは知れぬが、曰く下記の如くである。「通常のアルコール代謝能を有する日本人においては、節度ある適度な飲酒として、1日平均純アルコールで20g程度である。」アルコール20gとは日本酒では1合、ビールでは中瓶1瓶、ウィスキーダブル1杯が目安となる。いずれも20gをアルコールの比重である0.8で割リ、さらにアルコール濃度(度数)で割ると適量が導かれるという寸法である。飲酒をよしとされる二十歳から、仮に齢百歳まで毎日適量を嗜んだとして一生涯に飲む酒の量は日本酒で約3,000升。日に3合を喰らっていれば26~7年で一生分を飲んでしまう事になる。私の場合、若い頃には随分と無茶な飲み方もしたので、四十の声を聴く前に呑み終えているに相違ない。斯様な飲み方をしていては到底百歳まで寿命の持つはずもなく、とすれば一生分の酒というのはもっと少ないはずである。しかし、日に日本酒1合というのは大方の酒飲みからすれば、ぐい呑を舐めただけと大差がない。これが適量だとすれば、酒を嗜むというのは、ごくごくとのどを鳴らして飲むという行為では無いのかも知れない。ではどうやって、適切な量を維持するのか?厚生労働省では、自分で酒量を減らすための方法として、一日の飲酒量を減らそうとするよりも、飲酒日数を減らすという目標の方が達成しやすいといている。厚生労働省 e-ヘルスネット 酒量の減らすための方法連続して飲まないというのはあながち誤ってはいないと言える。ここでもう一つ、ルールを策定する事にする。休刊日には自分を祝福しよう。きれいに飲めた日は自らを祝福しよう。
2021.06.07
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先日 書評を書いたATOMIC HABITに続いて、最近刊行されたTINY HABITSという本を読んでいる。タイトルが似ているが、内容もよく似ている。どちらも良い習慣を増やし、悪い習慣を減らすということが重要だということを説きながら、アプローチでの心理的、身体的負荷を減らし達成への確実性を高める方策について書している。自分を実験台にして生活習慣を変える実験を通じて、昨年からいろいろと生活を手直ししてきているが、まだ、改善できていない悪癖がある。それは飲酒に関し自律ができておらず、飲めばついついと飲みすぎてしまうという事だ。お酒を飲み始めると、厄介なことにもっと飲みたいという欲望が湧き出てくる。ほどほどに飲んだところで、もうこの辺りでよしておいた方が良いと、まともに考えればわかるのであろうが、どうも そうと気づくよりもわずかに早く、お酒の方が先回りをして思考をブロックしまともに考えることができなくなっている。その結果、もう少し、もう少しと唇を尖らせてしまうのである。アルコール依存症のチェックシートで採点すると「問題飲酒はあるがアルコール依存症には至らない」というレベルである。みんなで輪になって椅子に座り悩みを打ち明けたりはしなくても良いが、飲酒量を意識的にコントロールした方が良い。WHO(世界保健機関)アルコール依存症チェックシートお酒を飲みすぎないためにはお酒を飲まないというアプローチが一番効果が大きい。とは言え、隠遁者のような生活はできるわけもなく、潤いは必要である。とりあえず『二日続けて酒を飲まない』事にしよう。そうと決めたばかりではあるのだが、昨日が休肝日だったので今日は娘が送ってくれた豊盃をいただく。すごく 旨い。歯と歯茎の間から酒がしみてくる。
2021.05.29
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家族と暮らすようになってもう一つ止めたものがある。タバコ。つまり禁煙をしている。実はこれが人生で二度目の禁煙となる。前回禁煙したのは2012、13年頃だったと思う。会社の同僚がファイザー製薬のチャンピックスという薬で簡単に禁煙出来たと聞き、ならばと真似をして見たら、あっさりと禁煙出来た。当時、病院で卒煙証書なるものを頂戴し、暫くの間 拙宅の冷蔵庫の扉に貼り付けてあった。~この証書はおおよそ2年後、喫煙再開がバレた際に妻に粉々に千切られる事になる。それはさておき。昨年秋に自宅近くの病院へ出向き、前回同様、禁煙外来でチャンピックスを処方してもらった。この薬を服用すると、やけに悪夢を見る。今回も何度か殺されかけた。 とは言っても当然、夢の中での事である。そして、年明がけに無事に治療を終えようとしていた頃、ひょんなことからコロナの濃厚接触者となってしまった。PCR検査を受け、陰性であったのだが、病院に確認したところ「もう最後で、薬の処方もありませんから来院しなくても大丈夫です。」と言われた。という訳で、今回の禁煙では残念ながら卒煙証書をもらえなかったが、無事、禁煙生活は続いている。
2021.03.25
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