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2006年03月26日
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テーマ: 本日の1冊(3711)
カテゴリ: 国際情勢
食がわかれば世界経済がわかる

 著者の榊原英資先生には、松下政経塾研究生時代に社会保障高座を企画して、そのときに話をしていただいた講師の一人で、今回その先生の本を読ませていただいた。

 「食」は、文化?資源?

 今、日本食が世界的ブームになっているが、その理由を世界的&歴史的視野から語られる。

 かつて7つの海を支配したイギリス、産業革命によりいち早く工業化に成功した結果、その技術力によって超大国になったという解釈に対して、それだけでなく、キーワードは「食」で、産業革命以前から食材の交易を世界各国の植民地を通じて抑えたことにより繁栄したことが述べられる。

 植民地といえば、そもそもはスペインやポルトガルが始まりだったが、これら2国の場合は、金山銀山の鉱山開発を中心に収奪的であった。一方、イギリスは、アメリカ・カナダ・オーストラリア・ニュージーランドなどに自国民を入植(アフリカから奴隷もつれてきたが)させ、プランテーションにより穀物や肉牛などの生産拠点として育成整備し、食糧生産と食料貿易を抑え、利益を積み上げることで、産業革命を進め、更に強国になっていった。しかしイギリスは超大国であったにもかかわらず、食文化については育たなかった。むしろ料理の不味い国といわれている。確かにイギリス料理なんて聞いたことがない今でも…

 イギリスの場合は、プランテーションにより農産物を大量生産し、イギリス自身、食の文化が育っていない(イギリス料理というのがほとんど言われないように)ことから、食を「資源」として捉えている。

 一方、フランスは、フランス料理という一大料理ジャンルが確立されているように、食を「文化」として捉えている。シラク大統領は2005ねんにプーチン大統領と会談したときに、イギリス人を評して「食い物のまずい国の人間は信用できない」と発言するなど、「食」へのこだわりがあるわけだが、そのフランス料理の始まりが説明されているのが、とても面白い。

 フランス料理は、1533年にフィレンツェの富豪のメディチ家から、カトリーヌ・ド・メディチが、フランスの国王アンリ2世に嫁いだときに、フィレンツェの料理人を引き連れてきたのが始まりで、このときに、大量の食材やデザートの調理法や食卓のマナーにいたるまで持ち込み、今日のフランス料理の原型をつくったんだそうだ。つまりは発祥は、北イタリアのルネッサンスにあるといってもいいんだろう。ただ、そのころのフランス料理はあくまでも王侯貴族のためのものであって、一般民衆に縁のないものだった。しかしそれもブルボン王朝の奢侈と浪費により1789年のフランス革命で王家が倒され、貴族が没落した結果、お抱え料理人たちが独立せざるを得なくなり、パリにレストランを開業し、宮廷文化としてのフランス料理が市民社会へと広まった。19世紀、そして20世紀の二人の革命的な料理人オーギュスト・エスコフィエとフェルナン・ポワンの登場により今日のフランス料理が完成したとのことだ。

 こうしてみると、フランス料理の歴史は、長く見て470年くらい、短く見ると19世紀と20世紀という2世紀間といえる。

 ちなみに、榊原氏は、「食文化の歴史が世界で一番長くて豊かな国は、中国である」と断言している。

 食を「資源」として見て、資源を抑える戦略で覇を唱えたイギリス。そのイギリス以上に、食を「資源」と捉えたのがイギリスの植民地だったアメリカ。

 イギリスの大穀倉地帯として育成整備されたアメリカ。独立後、工業分野のラインシステムを食の分野にも持ち込み、「食の工業化」を推進させ、マクドナルドやケンタッキーを代表とするファストフードを生み出した。1930年代そして40年代から、これらのファストフードが世界を席巻していく。まさに「食のグローバリゼーション」が進められた。それは大量生産大量消費を前提にしたものだったが、その負の面として現れたものが、今日本でも話題になっている”狂牛病”で、その”狂牛病”の発生の経緯が説明される。

 もともと草食動物である牛に、草の代わりに「肉骨粉」を食べさせることが原因で、それは1920年代からイギリスをはじめとしてヨーロッパで始まった。それによって生産性は飛躍的に向上したが、そのころは、この狂牛病は問題になっていない。問題になりだしたのは、1985年ごろだった。その理由は、70年代のオイルショックにより原油価格が高騰したためにより、「肉骨粉」をつくる作業の簡略化を図った。この結果、羊の風土病といわれたスクレイピー病の病原体が完全に破壊されずに混ざり、それを牛が食べて、80年代に牛の脳スポンジ症が発症し、90年代には人間にクロイツフェルト・ヤコブ病(致死率100%)が発症したということなんだそうだ。まさに人間が本来草食動物である牛に無理に肉食をさせたことが原因にあるのだ。工業化という生き物ではなく製品として見てしまったことへのカウンターパンチだ。

 こういった問題に対して、今、健康や環境といった「自然への回帰」が大きなテーマになること、そのテーマに見合うのが、「日本食」であることが説かれる。旬を大切にし、素材を生かすことにこだわる。まさに工業化と反対を行く日本食。今、この日本食は世界各地でブームになっているが、そのブームについて、ちゃんと日本食を学んでいないものが他国で日本料理屋として開店していること警鐘を鳴らしている。日本も日本食を文化戦略で考えなければいけないということなんだろう。

 食に関するトリビアな話題も合って、読みやすくかつ学ぶことの多い1冊だった。

食がわかれば世界経済が分かる
 著:榊原英資 発行所:文藝春秋
 2006年2月25日第1刷 定価:1,238円+税





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最終更新日  2006年03月26日 17時26分43秒
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