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2006年08月14日
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テーマ: 本日の1冊(3711)
カテゴリ: 思想・哲学・宗教
貝と羊の中国人

溜池通信

 小室直樹先生の「中国原論」とも共通するのだが、中国には二面性があるということだ。加藤氏の説く二面性とは、タイトルにある「貝」と「羊」の二面性である。

 加藤氏は、以下のように説く。
  ホンネ    :貝の文化
  タテマエ   :羊の文化

 ちなみに、小室先生は、「陽儒陰法」という表現で表されるように、以下のようになる。
  裏(ホンネ) :法家思想
  表(タテマエ):儒教

 そして、「貝の文化」の「貝」とは、貨幣を指し、経済主義や現実主義気質を表している。「羊の文化」の「羊」とは、祭祀のときに、神への捧げるものである羊を指し、礼や道徳を重んじ、理想主義やイデオロギーにこだわる気質を表している。

 「貝の文化」の基礎を生み出したのが、中国史上最古の王朝「殷」(※夏は、中国以外では伝説の王朝扱い)であり、「羊の文化」を生み出したのが、その次の王朝「周」である。現在の中国人は、この殷人と周人が混合したもので、この混合により、「貝」と「羊」の二面性を持つようになったのである。この二面性があるからこそ、今の中国共産党が政治を一党独裁をし、共産主義を掲げながらも、資本主義を採用するという「社会主義市場経済」を実施することができるというわけだ。

 この「貝」と「羊」の後は、日本(人)と中国(人)の様々な違いが展開され、どの視点もとても興味深かった。

 中国は、流民が政権や王朝を転覆させたり、流民から英雄が生まれたりすることがある。日本では、どちらもほぼない(筆者は、流民の英雄としては、神武天皇だけとする)。流民型英雄として、晋の文公、孔子、三国志の劉備、そして毛沢東を挙げている。すべて流浪の末に、なんらかの功績を建てたものたちだ。さらに、流民の子孫として、太平天国の乱の指導者洪秀全、中国革命の父孫文、シンガポールの元首相リークアンユー、中国の開放路線に舵を切ったトウショウヘイ、台湾の元総統李登輝などが挙げられている。この流民が大きな存在感をもたらすことが、今も世界中で活動する華僑につながるというわけだ。

 「和魂漢才・和魂洋才」と「中体西用」という言葉にも違いがあるとのことで、この「和魂漢才」は、菅原道真が名づけた言葉で、日本固有の精神で漢文の学問を消化することで、「和魂洋才」は、幕末期に、「和魂漢才」が転じたものだ。一方、「中体西用」は、これは中国の思想や伝統を本体とした上で、西洋のものを末節として利用することを表している。要するに、外来のものがある場合に、日本は、吸収して同化することを考えるが、中国は、吸収同化ではなく、あくまでも外来のものとして使うだけというわけだ。

 中国の歴史の話が展開されるところで、興味深かったのは、2つ。

 一つは、中国は人口の増減によって社会変革が起こること。
 中国は現在13億の人口を誇るが、王朝の変遷(前漢~明)においては、6,000万人を壁に、これを超えると人口に、農業生産が追いつけなくなって、流民が発生し、氾濫が発生し、人口急減とともに王朝が倒れ、新たな王朝ができ、平和になると、人口が増えるが、6,000万人あたりで、また同じことを繰り返す。

 もう一つは、王朝の変遷の黒幕、士大夫という階級
 周から清朝まで、3,000年に渡って存在した階級で、どの王朝でも官吏を担った階層である。前漢の武帝期に儒教が官学化され、隋朝からは、官吏登用制度として、儒教が試験科目である「科挙」が始まり、定着化していく中で、士大夫階級は、王朝交代によってTOPが変わっても、変わらない、常に中間支配者層として生き続けた。ただ、このTOPが変わっても、変わらないでいるしたたかさは、忠誠よりも強いものに付いてしまうということを表している。中国革命を起こした孫文は、士大夫ではなく、革命運動のメンバーに士大夫階級を入れなかったということが書かれていたが、これはその強いものについてしまうしたたかさが、革命を進める際に裏切りに会うかもしれないからだろう。

 この本で改めて確認したことは、現代の中国人の領土意識は、中国歴代王朝の中で最大版図を築いた清朝時代のものだということだ。清朝の領土は、大きく分けて3つで構成されている。
   直轄地…今日の中国の「省」
   藩 部…今日の自治区
   冊封国…朝鮮・琉球(現沖縄)・ベトナム(ラオス含む)・タイ・ビルマ(現ミャンマー)

で、この冊封国までが領土だという感覚なんだそうだ。これが本当だとすると東南アジアにおいても、南沙諸島だけでなく、さまざまなところで領土問題が発生することが考えられるだろう。

 最後に、加藤氏は中国の本音と建前を使い分ける二面性や、中国人といっても、漢民族だけでなく、さまざまな民族がいて、中国人という一くくりできないということ、中国は民主主義もまだ根付いていない(国政選挙制度がない)ことや、言論後の自由がないことを配慮して付き合うことを求めている。

 小室先生の「中国原論」とまた違う視点から中国を手軽に学べる1冊だった。


貝と羊の中国人
著:加藤徹 新潮新書
2006年6月20日発行 定価:720円+税

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最終更新日  2006年08月14日 10時50分28秒
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