江戸こぼれ話 笑左衛門残日録

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小便爺 出物腫れ物… 朽木一空と五林寺隆さん

2020.01.24
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​  両国橋笑流譚    3

男任侠、両国広小路取締役の熊五郎一家でござんす。



  ”火事と喧嘩は江戸の華”なんて言われてるくらいに、江戸は頻繁に火事に見舞われた。 明暦の大火以後、 火事になっても、江戸の庶民が逃げられるように、 幕府は江戸と本所深川を結ぶ両国橋をつくったんだとさ。
 でもね、橋は木で作られているんだから、火事になって燃えちまったら話にもならない。 そこで、橋の東西の袂に作った日除け地が両国広小路というわけだ。
 ところがどっこい、人が大勢行き来する広い空き地をめざとい者が放っちゃおかない、 すぐに無断使用して商売を始めだした。
 そのうちに、こんな広い空き地をなにもしないのではもったいねえじゃないか、使わせろと、 願い出るものが多く、幕府はしぶしぶ、将軍が船着き場を使う時にはすぐに片づけられる、 葭簀張り(よしずばり)ならいいだろうと、という条件で、許可をしたのだ。
 さあそうなるってえとてえへんだ。何処からともなく商売人が集まりだして、棒て振りはもとより、 葭簀張りだけでなく、仮設の小屋までが立ち並び出だし、
 屋台の蕎麦屋、すし屋、甘酒屋、煮売り屋、団子屋、などの食べ物屋に、 香具師、テキ屋、露天商、の店が集まり、次第に、賭け将棋に大道芸や軽業、猿回しに手品、
浄瑠璃、講談などの見世物小屋に芝居小屋が集まり、 あれよあれよという間に火除地は埋まってしまい、柳橋に隣接する西橋詰一帯の両国広小路は 江戸随一の盛り場として栄えることになったのでございます。
​ さてさて、この 両国広小路を仕切ったのが、ご存知侠客の鬼瓦の熊五郎親分でございます、
 熊五郎親分は奉行所から十手も預かり、広小路界隈の御用聞きも兼ねていたのだ。
 雑多な人間の集まりの広小路は 奉行所の定廻り同心なんかじゃ、とてもとても治まららしない、なんせ、両国広小路には、 一旗揚げようと、一癖も二癖もある連中が集まっきていた。無宿者、流れ者、破落戸(ごろつき)に 相撲取りのなり損ねまでも、一発当てようと入り乱れている、
いざこざ、 喧嘩、縄張り争いは日常茶飯事で、あちこちで小競り合いがおきて物騒な町になりそうだが、 それを抑えているのが鬼瓦の熊五郎親分だ。
 もともと博徒で広小路のなかでも博奕場も開いていて、縄張り内の店からは「守り代」と呼ばれる銭(かすり)をとっていた。
 ~何かあったら俺たちに言いな~
という銭であり、銭を払えさえすれば、安心して商いができたが、銭を出さなければ、
商いはできなかった。そう、葭簀張りの店などあっという間に潰されたのだ。

 ~おいっ、興行は七分三分という決まりだぞ、~
 つまり上がりの三割は熊五郎一家が取り上げる。

 侠客、やくざだと言われ、寄生虫だ、悪の権化のように言われているが、
熊五郎親分のような度胸と意気の男がいるから、両国広小路の規律は保られていたのだ。 ちんけな破落戸も町奴も旗本奴も広小路の店にいちゃもんをつければ、熊五郎一家の者が駈けつける。
 まあ、用心棒代として、高いか安いかは別として、
 ~強きをくじき弱きを助ける~
 任侠の熊五郎は両国広小路では一目置かれていたのである。

 義侠心は男の中には誰にでも存在する感情で、自分を捨てても他人を助けてえと思う、 義侠に生きる男こそが侠客だった、子分たちもその感情に酔っていたので、
 熊五郎一家は両国広小路では人気が高かったのである。べんべん

 笑左衛門

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最終更新日  2020.01.24 10:30:06
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