江戸こぼれ話 笑左衛門残日録

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旧岸総理邸 朽木一空と五林寺隆さん

2021.03.10
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​  ​おから長屋 金は天下の廻りもの 3​​
      ​火の見櫓 3   悪戯小僧​



泣いて笑って おもしれえやい 
   金は天下の 廻りもの
それから、数日後のことであった、
 北町奉行所同心日下部退蔵、それに町役人の小倉屋文蔵、大家の桃右衛門、自身番役の政太郎が待つ、 神田楽居町の自身番へ、鳶の甚八と息子の高吉が呼び出された。
 甚八と高吉は半鐘事件の顛末にどんな罰が待っているのかおどおどしていた。
おから長屋を追い出されるかもしれないとびくびくもしていた。
 自身番で小さくなって座っていると、北町奉行所定廻り同心日下部退蔵が重たい口を開いた。
「実はな、高吉、先日の半鐘事件のことだが、、、」
 まさか伝馬町の牢に入れられやしないだろうか?高吉の顔から血の気が失せ膝が震えた。
「高吉、そう緊張するな、実はな、外神田のお徒歩屋敷の犬塚八十郎という御家人から、届け出があってな、 五日前の暮れ六つ、神田楽居町の半鐘が鳴ったので、驚いて庭へ出てみると、 夕方焚火をした燃え滓の火が塀に移つって燃えだしていたのだ、慌てて、消し止めたのだが、 あの半鐘で知らせるてくれなければ、火は屋敷に燃え移り、大変な事態になっていた。
  半鐘で知らせてくれた楽居町の方にお礼がしたいと、金十両を頂いたのだよ。
高吉よ、おめえが火事だと言って半鐘を鳴らしたのは嘘じゃなかったんだな、
信用しなくて悪かった、このとおり謝る、」
 奉行所同心が町人の子供の高吉に頭を下げた。高吉も甚八も唖然としていた。
 「まあそれで、町役人の文蔵と大家の桃右衛門とも相談してな、犬塚八十郎の申し出は 受けることにして、五両は高吉に渡して、残りの五両の銭は町入用として使わせてもらうことにし酔うと思っているのだが、それでよいかな、」
 町役人の文蔵が高吉の顔を覗き込むようにして顎をしゃくった。
 「いくら、町の悪戯小僧の高吉でも、高吉の言い分もきかねえと、筋が通らねえなええから、 こうして来てもらったんだが、甚八よ、それで文句はあるめえ、高吉に着物でもこさえて、 旨いもんでも食わしてやってくれ、」
 「高吉よ、それでな、おめえから、何か願いはねえか、大抵のことなら聞いてやるぞ」
 高吉はずっと下を向いていたのだが、疑いも晴れたせいか元気を取り戻し、
「じゃあ、火の見櫓に登ってもいいってことにしてくんねかな」
 自身番屋にいた一同の者、顔を見合わせたが、高吉のお陰で五両もの銭が町入用の金庫に入ったんだ、文句はなかった。
「わかった、高吉が火の見櫓に登るのを許そうじゃねえか、ねえ、文蔵さん、桃右衛門さん、政太郎も聞いたな、
 けどな、むやみに半鐘は鳴らしちゃあいけねえよ」
 家に帰った高吉は嬉しそうだったが、落ち着かないのは甚八の方だった。
 鳶の甚六は火消しだ、ねじり鉢巻き 腕には竜の彫り物、筋が通らなえ話にはてこでも動かねえところもある、 しゃきしゃきの江戸っ子だったのだ。
「高吉、、これからちょっと、大家の桃右衛門、の家へいってくるぞ、」
と、言うと、長屋の入口にあるおから長屋の大家の桃右衛門の家の戸を叩いた。
「こんな銭を持っていたんじゃ、尻がむずむずしていけねえ、早く使っちまったほうが気が清々する。 江戸っ子は宵越しの銭を持っちゃ息がつまっちまうよ、
 なあ、大家の桃さん、あっしは、かかあが死んでから、長屋の者には世話になりっぱなしだ、 ここは一発、長屋の連中でぱあっとやって五両使っちまいましょうよ、そのほうがさっぱりしていいや」
 大家の桃右衛門も店(たな)の者が喜ぶことなら大賛成だ。
 というわけで、神田楽居町にある居酒屋の「ひょっとこ」を貸し切って
おから長屋の者を集めて大宴会を開くことになった。
 五両といえば、間男の示談金と同じ大金だ。二万文である。
店賃が400文、かけ蕎麦が16文、酒一合が30文、鮨8文、初鰹だって5000文でお釣りがくる、 おまけに、居酒屋「ひょっとこ」は安い居酒屋で有名だ。いくら飲んだってお釣りがくらあ、 その居酒屋”ひょっとこ”は 白角屋絹三郎という、おから長屋の家主の豆腐屋がやっている店で、
 酒は原価で売り、酒の空樽を売って儲けるという、鎌倉河岸で大流行りの豊島屋の真似をした商法で人気があった。
 つまみは 豆腐屋が営んでいるので、夏は冷奴、冬は湯奴、それに卯の花に、豆腐田楽だけだった。まあ、50文(およそ千円)もあれば飲めるという安居酒屋だ。
 その居酒屋”ひょうたん”の女将はおから長屋のぽんきち姐さんだった。
もと、柳橋芸者のぽん吉は、四十の坂に差し掛かったが、黒羽織なんざ羽織って、まだまだ色気たっぷり、毒婦じゃねえが、熟女の色気で旦那を惑わすには充分であった。
 さて、その居酒屋”ひょうたんん”貸し切りとなったその日、
「おい、しけた豆腐料理ばかりじゃ盛り上がらねえや、!」
てっんで、鮨も料理も、柳橋の料亭から取り寄せて、大判振る舞い。
 おから長屋のぼてふりの魚屋の太助が鰹と鰺を捌いて船盛にする。
御馳走が並び、ぽん吉の三味線と唄も混じって、 店の中はおから長屋の者で喧々囂々、上や下への大騒ぎ、底抜け騒ぎのから騒ぎ、 長屋か出られない病気の婆さんには膳に持って届けたし、 意固地で、おから長屋に籠っている恥書捨三郎という痩せ浪人には、おせっかい婆のお鯛が 酒までつけて届けてあげた。
 甚八、高吉にんまり、こんなことはめったにあることじゃあない。
神田楽居町 おから長屋での出来事でござんした。
  神田楽居町、火の見櫓の景色  おわり  朽木一空
 火事と喧嘩は江戸の華なんて言ますがねえ、
 江戸の町人の住む場所は、びっしりと町家がくっつくように建っていたので
火事にはめっぽう弱い町だったんですね、
 お江戸八百八町、町ごとに自身番があって、自身番の上には火の見櫓があるのでございますよ。      ~笑左衛門蘊蓄~
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最終更新日  2021.03.10 10:30:07
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