Emy's おやすみ前に読む物語

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Oct 11, 2006
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カテゴリ: 連載小説
ルミちゃんの部屋で待つ。

ベッドと机だけ。白とベージュだけ。

整理されてるより、散らかすものが無いだけ。


”私の部屋”と言うより、ホテルの部屋みたい。




クールなルミちゃんらしい部屋だなっていつも思っていたけど、

なんだか今日は少し寂しい。





少し肌寒い位の冷房のせいか、心までが緊張して冷たくなる。






ルミちゃんの足音とグラスと氷の粒がぶつかる

涼しい音が聞こえてくる。






ルミちゃんが部屋に入り、トレイ一旦机の上に置く。

そして50センチ四方の小さいテーブルを出す。

白地にオレンジ、ピンク、水色の大きな花の絵のテーブル。

「可愛いテーブル。」

「輸入雑貨のお店で買っちゃった。」

2人で顔を見合わせて微笑み合う。空気が和む。







「夏恋、私言い過ぎた。取り消しできない事に後悔してる。」

「ルミちゃん、私もしつこかった。ごめんねって謝ってからもクドクド・・・。」

「夏恋、《咲花》の時間もあるから、はっきり言うね。

 私、夏恋は持ってる物の価値に気が付いてないと思う事多くて。」

「持ってる物の価値・・?」




 でもいつも夜遅くまでいない。

 私、母親のご飯なんて中学2年生位から食べてない。

 お弁当も数えるくらいしか作ってもらってない。

 休日も急患が入って予定キャンセルなんて当たり前。

 今ではどこか旅行なんて話も出ないよ。




 腕の良い優秀な小児科医なんだと思うもの。


 ・・・でも、夏恋。私、知っちゃったの。

 夏恋のパパとママが、娘の友達をも大切にしてくれるって事。

 おばさまとバレンタインのチョコやクリスマスケーキを作る楽しさ。

 ママが近くにいてくれる安心感。


 夏恋は一人っ子だけど、両親がたっぷり愛してくれてる。

 私達姉弟は4人もいるけど、いつも寂しい。


 ・・・私、夏恋と友達なんだって事も、柏田君が好きだった事も

 母さんに話してないの。

 ・・聞いてもらう時間も無いの。」





”初めてお母さんって呼んだ。”

今まで"母親"って言って突っ張ってきたルミちゃんの弱さのように感じた。




”失恋も友達にも・・って言うか、私にも話せないし、お母さんにも話せず、

 たった1人で乗り越えたんだ・・。

 私のパパが死んだ時、ママがいつもそばにいてくれたから

 私は冷静だったのかもしれない。

 その後、ルミちゃんも柏田君もバレー部の男子も

 みんなそばにいてくれた・・。”






             ―つづく―







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Last updated  Oct 11, 2006 06:37:42 PM
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