September 2, 2006
XML
カテゴリ: 未来社会の構造
小さな国家


●彼らの主張は、諸個人や私的組織の運命は可能な限り自分が決めるべきものであって、国家の介入は可能な限り排除すべきである…ということになろうか。

●リバタリアンは諸個人・組織の活動の自由に対して国家を必要悪として対置するが、悪は国家だけではない。人は国家による制約以上に、会社、宗教や文化的因習の制約を受けている。
●利潤追求動機で動く諸個人・組織は、悪(必要悪ではなく悪そのもの)を行う動機を内在的にもっている。人間の行動規範となる経済システムを差し置いて、国家対諸個人・組織を議論しても仕方がない。

●私的所有境界と利潤追求動機の競争関係ばかりの社会では、諸個人や組織の間で多くの問題が発生するのは避けられない。個人・組織にとって、国家が必要悪である以上に他人や他組織は個人・組織の自由を制限するものである。
●人と人、組織と組織が協力できる社会的仕組み無しに、「国家は権力の塊であり、国家は(必要)悪である」といっても仕方がない。

●従って、リバタリアンに必要悪と名指しされた国家側にも言い分はある。
●国家は次のように言うに違いない。
・利害関係が渦巻く社会・経済システムを放置していたら、諸個人・組織自身が一番困ることになりはしませんか?

・私は消えて無くなっても構いませんが、そもそも私を必要とされたのは諸個人や様々な利益団体だったのではないでしょうか?

●国家の大きさは「社会・経済システムがどれほど人間的なものになっているか」の程度と反比例する。
●小さな国家にするには、社会・経済システムを諸個人・組織間に境界や利害関係が生まれないようにすることが先決であって、法律による制限や規制の少ない国家にすれば諸個人・組織の自由が大きくなる訳ではない。


法律はパッチワーク(境界の無い世界6)

小さな政府

●大きな政府とは組織や財政規模が大きな政府であり、統制・指導型の政府ということになるのだろうか?

●国民は庇護の対象と考える人達の政府は、より大きな庇護の組織や財源が必要になり、政府組織の職員も庇護の対象なので大きな政府になる。…ということで、社民党や共産党が考える政府は大きな政府になる。

●日本の政府が小さな政府を目指している背景には、次のようなものがある。
(1) 財政破綻の回避策
・行政改革によるコスト削減
(2) 地方分権
・中央政府→地方政府
・但し、この地方分権は国民にとっては(政府=中央政府+地方政府)なので小さな政府になる訳ではない。

・規制緩和
・国鉄、道路公団、郵政3事業など民営化

●政府の財政規模が小さくなること=弱い政府ではない。大きな権限を持つのであれば、弱い政府とは言えない。
●ネオコンの理想は小さくて強い政府を志向している。自民党政権は、小泉政権を機に「予算をばら撒く大きな政府」からネオコンの理想とする「小さくて強い政府」に舵を切り替えたと言える。
●景気の拡大無しに高福祉はありえない…という。本当にそうだろうか? どれだけ経済成長したら福祉社会が実現するのだろうか?


未来社会の政府は?

●未来世界では国家は無くなるが、政府が無くなるわけではない。
●これまでの政府の延長線で「政府」というものを考えると、未来社会の世界政府は、土地のレンタル料と無相続財産の売却により巨大な「収入」を手に入れることになる。…このように見ると、財政上からは世界政府=超巨大政府ということになる。社会主義政権であれば、間違いなく強大な政権になるに違いない。

●しかし、政府と配当管理機関(世界銀行のようなもの:Gバンク)を別物と考えれば、上記の収入は一銭も政府の収入になるわけではない。…こちらの見方では小さな政府ということになる。

●ところで、 未来社会の政府(世界政府+地方政府) の首長やそのスタッフ、議員は選挙で選ばれるが、政府の職員は民間組織の職員となんら代わりがない。
●同様にGバンク(中央バンク+地方バンク)で働く人は、選挙で選ばれた人である必要はないし、政府が指定した人である必要もない。仕事の中身は透明だからである。
●但し、Gバンクは政府の一機関である必要はないが、世界政府の経済政策との連携は必要になる。Gバンクを政府機関と定義してもしなくても実態は変わらないので、どちらでも良い。

●土地のレンタル料と無相続財産の売却益は、世界の人々の共通資産であり、世界の人々に還元されるべきものである。
●配当管理機関(Gバンク)は世界中の人々の代理人として、次のような事務処理を行うだけである。
・土地のオークションとレンタル料の管理
・死んだ人の財産の競売と売り上げの管理
基本配当と投資配当 の支給(量と回収率の管理を含む)
●ということで、Gバンクは、「基本配当」や「投資配当」を人々に公平に供給するだけである。

●政府の財源は、この人々の「配当」から一定割合を収めてもらうことで成立することになる。Gバンクの収入から政府機関の財源分を除いたものが「配当」の総額になるのではない。これは、政府が巨大化する可能性を絶っておくための要点である。
●未来社会は境界の無い世界、自由土地、配当システムの世界であるから、現代世界におけるような様々な利害関係が消失しているので、法律も簡素なもので間に合う。…ということで、政府(世界政府+地方政府)の規模も小さくなる。

●現代社会では、社会保障制度といっても、収めた額が国費負担分のおまけがついて還付されるだけの保障に過ぎない。
●未来社会では、政府が「社会保障」費を支払ってくれるのではなく、Gバンクが世界中の人々が稼いだ「富」の中から「基本配当」として配分するのであって、政府を介さずに世界中の諸個人・組織が稼いだものを再分配するだけのことである。

●現代世界では、社会保障の行き届いた国=大きな政府ということになるのかもしれないが、未来社会では社会保障は万全であるが、小さい政府に留まる。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  September 3, 2006 09:49:56 AM
コメントを書く
[未来社会の構造] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

キーワードサーチ

▼キーワード検索

カレンダー

コメント新着

廣田和夫@ Re:未来社会(08/20) 「不老長寿の社会」については、以前下記…

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: