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今住んでいるこの家には、私が高校
1
年生の時に引っ越してきた。
一帯が分譲地で、
A
さん
B
さん
C
さん
D
さん
E
さんと尚家が一斉に入居した。
D さん宅を除くすべての家庭が夫婦と子供 2 人の世帯だった。
暗黒の数年間を過ごしたのち、私は無事に大学へ入学。
その頃、若い夫婦だった
D
さん宅に待望の赤ちゃんが生まれた。
かわいらしい女の子。
三輪車で遊ぶ姿がよく見られた。
だが、ある日突然引っ越し業者が来て、目を見張る真っ赤なソファーが運び出されたことが脳裏に焼き付いている。
奥さんは幼い子供を連れて家を出た。
実は旦那さんはジゴロだったとかいう噂だったが、真相は闇の中。
今は旦那さんだけが一人、近所付き合いをすることもなくひっそりと暮らしている。
金髪に爆発したようなくるくるのパーマをかけ、真っ黒のゴールデンリトリバーを優雅に散歩させるモードな
C
さんの奥さん宅は早々に退居され、その後すぐにそれはそれは賑やかな
F
さん家族が越して来た。
いわゆる体育会系と呼ばれる活力が漲った夫婦と
3
人の子供たち。
早朝から深夜まで、ギャアギャアと大きな声で喚きながら夫婦喧嘩をする光景が日常だ。
A
さん宅は他の家庭とは少し様相が異なっていた。
地味な凡人サラリーマン家庭とは真逆の、水着を売っているとかいう派手な商売をされているようで、東南アジアの美女と言っても通用するほどに美しい奥さんが高級外車を乗り回していた。
若くして長女も次女も結婚し、最近では孫が頻繁に帰って来るようになっている。
パパとママと呼ばれてもおかしくないほどに若々しいじぃじとばぁば。
さて、
B
さん、
E
さん、そして尚家は、驚くほどに似通っていた。
尚家には大黒柱がいないという大きな違いはあったものの、
B
さん宅は長男は結婚して家を出たが長女は引きこもり、
E
さん宅も長男は家を出ているが次男が引きこもり、兄弟が二人いたら一方には陽の光が当たり、もう一方はその影となるらしかった。
これぞ自然の摂理である。
10
代の頃からここ一帯の家族模様をじっと見守り続ける。
40
歳を過ぎると映る景色も変わる。
輪廻転生がまざまざと目の前で繰り広げられ、世界と同様、小さな
“
共同体
”
の中の時代も移り変わった。
おそらく、次に来る大きな波は、尚家の取り壊しだろう。
プラスマイナスゼロ 2026/05/14
テーマパークから帰宅 2026/05/12
もんもん、大人の階段上る 2026/05/11