南カリフォルニアの青い空

南カリフォルニアの青い空

2026.03.30
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『何のこれしき』と武家に育った祖母がよく言っていた。「ちょっと、指や足を痛めたからといってめそめそするものではありません、痛い痒いは生きてる証拠」と、頭痛持ちの母(つまり自分の娘)にもよく言っていた。その祖母に育てられたおかげで、突き指も、頭痛も、腹痛もじっと我慢するくせがついていた。ガキ大将にいじめられても逃げずに食って掛かっていき、怪我もした。でも本当に母のように薬ばかり飲んでいた人の方が頻繁に頭痛や腹痛に悩まされていたから不思議である。私はまず、簡単に病気にならない。

昔、あるグループと数日民宿に泊まり初めてスキーをしたときに捻挫して、「ヒロ坊(私のあだな)は炬燵で休んでろ」と言われたのが悔しくて悔しくて、包帯をぐるぐる巻いて皆が出て行ったあとでこっそり、丘で練習などした為にこじらせて入院したことがあるが、まだティーン時代だったので全治も速かった。

最初の夫が財布をがっちり握っていて、出費にことごとく文句をいう人だったので、つま先を折ったときも自分で動かないように包帯をして結局は医者に行かなかったため、いまだに曲がっている。ぐちゃぐちゃ文句を言われるのがいやなのである。それでいて、そういう人に限って自分が怪我をすると大げさに痛がり医者に行く。

 例外として、前夫と我が家を建てていた頃、重いものを持たされ背中を酷く痛め、ベットから立ち上がれなくなった時は彼も慌てていた。それでも医者など行かずに安静にしていただけで治ってしまった。そういう訳で、再婚後、指をガレージドアで挟んで折骨したのも包帯をぐるぐる巻いて動かさないでいたら2週間で治ってしまった。

そして、ある日事件が起こった!
椅子に長い事同じポジションで座っていたのだが、立ち上がって普通に足を前に出した時足のしびれに気づいたが、こと遅し!右のつま先が全部内側に曲がっていたのに気づかずに、全身の体重をかけてしまったからたまらない。つまり、バレーリーナが裸足のつま先で立った状態で、下がタイルであったためバリバリという音がした。でも折骨だとは思わなかった。しびれていたから、最初の数分はそれほど痛くはかんじなかった。いつものごとく、アイスパックをして包帯をぐるぐる巻き安静にしていたら、びっこひきひき歩けたので、「何のこれしき」と医者に行かなかったのだ。
ところが、一週間後もまだひどく腫れ上がり、夜中に激痛がしたので翌日ERに行ってレントゲンを撮ったら、右足のアーチ『土踏まず』あたりが横に割れていて、それが歩く度にずれるわけで、血の循環も悪くなっていて腫れはどんどんひどくなっていったわけだ。

Podiatrist (足の専門医) に行ったら、即手術だと言われたほど悪かった。患部に穴をあけてステンレスのスクリューをねじ込み骨を固定すると言った。「我慢をするのもほどほどですよ、手術をする頃はもう一月たってるわけですからね」と医者に呆れられた。

「あなたの歳では手術後も6週間は運転禁止ですよ」といわれ、その時自分が80歳に近付いていた事を思い出した。二度目の夫にでも、今まで「何のこれしき」の態度だったので手術後は動けないなんて私から言っても夫は信じないと思い、彼も診察室によんで先生に直接はっきり説明してもらった。彼はショックだったらしく、今までに見たことのないくらいかいがいしく、あれこれ手伝ってくれた。

今までは、亭主関白で「お茶!」「あれとってくれ」「これとってくれ」という態度で、買い物、掃除など一度もしたことがない。今度は私が、「水!」「あれとって」「これとって」という番で、怪我の功名!悪くはないと思った。

亡くなった義母が家の中で車椅子を使っていたのを思い出して、夫に「借りて来てくれ」と頼み、生まれて初めて車椅子を使ってみたらとても便利。これなら料理も洗濯も大抵の事ができた。その内に慣れて来て調子に乗ってスピードを出して前につんのめりそうになった時は、要注意と自分に言い聞かせたのもつかの間、今度はバックをした時に後ろにひっくり返ってしまったのだ。ゆっくりだったので怪我はしなかったが夫の外出中であった。その時、テレビでひっくり返って動けない老人が「ヘルプ」と言ってる広告を思い出して、自分も老人だと気付いて笑ってしまった。幸い運動神経が発達してるのと、毎日エクササイズをしているので良い方の足と二本の腕でどうにか車椅子に座る事が出来たが、可なりの時間がかかった。怪我というのは自分だけが被害を被るわけではない、家族や友達にも関係してくるのだ。もう84歳、これからは「何のこれしき」という過信はやめることにする。

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中ほどに、『遠慮なく言わせて頂きます』ヒロコ・ファルケンシュタインというのが私のエッセイです。










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最終更新日  2026.03.30 04:02:11 コメントを書く


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