Fancy&Happiness

Fancy&Happiness

2005.12.25
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特に何の予定も無かった私は、朝からごろごろテレビなど眺めていた。

音を立てるケータイ、直美からの知らせ
彼がいなくなってしまった知らせを受けた日。
「あー、もう過去だから!!!」
自分に言い聞かせるように怒鳴ってみた。
・・・・しかし効果ゼロ。
泣きたくなってきたよぉ~;;
ふと、テーブルの横に紙袋が倒れているのを見つける。

寝転がった状態のまま、紙袋から大きめの包みを取り出す。
「わあ、キレイ・・・」
開けてみると、それはクリスマスツリーだった。
針金のようなもので出来たツリーにはキラキラしたガラス玉のようなオーナメントが付属されている。
それを飾れば、ツリーはまるで宝石みたいにキラキラしてて、可愛らしかった。
「さすがだなぁ・・・・」
私の趣味、ぴったり。
感心しながら指でオーナメントをつついていて、はっと気がついた。
「・・・・・・君、来年まで出番ないね・・・、」
直美の、なんとも甘い考えに少し笑えてしまった。
だって、すごく彼女らしい。

噂をすれば、直美からだ。
『今日の6時、駅前のツリーの前。来い!』
「・・・・・・・・。」
そのメールを見つめて、私は思い切り顔をしかめた。
クリスマスが大嫌いな友達に、しかも彼氏のいない友達に、今日は出かけたくないと本気で思っている友達に

まさか、直美の彼氏がドタキャンとか・・・・?
『なんで』
これだけ返すと、すぐに返事が来る。
『サンタクロースがやってくる。』
意味不明だからっ!!
『・・・・意味わかんないよ!私、今日は家から出ないからね!』
『6時にツリーの前来ないと、あんた一生後悔するよ』
絵文字も何もない、淡々と並べられた言葉。
直美がこんなメールをしてくるなんて珍しかった。
一体何がしたいの・・・・?直美・・、
『・・・・サンタクロースが来なかったら、直美を一生恨んでやる!』
なんだかんだ言って、直美はやっぱり一番の親友だし、彼女はずっと私のことを心配してくれていた。
だからだと思う。
彼女の言葉を信じてみる気になった。

重いドアを押し開けて、私は夕暮れ時の街へと繰り出した。

6時5分前にツリーの前についた。
すると、驚くべきことに直美がいた。
「直美!?どうしたの?何かあったの!??」
人は待たせるけど、自分は待たない!ってタイプの直美が、その直美が待ち合わせ場所に早く来ているなんて!
本当に何があったのかと心配した。
「あたし?別に何もないし。」
それよりも、とあたしの腕を引っ張る。
「はい、これ!」
白い封筒を差し出される。
とりあえず受け取ると、開けるように促された。
「・・・・・電話番号・・・・?」
あければ、直美のクセのある字で電話番号が書かれている。
一体誰の・・・・?
「そう、祐二くんの。」
直美はあっさりとそう言った。
祐二とは、佐藤 祐二。
私が、ずっとずっと想い続けた人―
いや、今も想い続けてる。現在進行形、片思い。
「・・・・彼、帰って来たんだって。」
驚愕に目を見開いた私をよそに、直美はやや早口でまくしたてる。
「電話して、会って、ずっと溜め込んでた想い、言うべきだよ!あんたはいつも、あーだこーだ理由をつけて先延ばしにしようとする。やっと踏ん切りがついたら彼はいない。もう嫌なんでしょ!?過去に決着をつけに行ってきなよ!!」
確かに、直美のいうとおり。
私はこのままじゃ前に進めない。
「じゃあ、彼が待ってるからあたし行くね!」
直美は私の傍をすり抜けていく。ブーツの鳴る音が遠ざかっていく。
「直美、・・・ありがとう!」
私は直美の背中に声をかけた。直美は少し、頷いたみたいだった。

私は、気が変わらないうちに、とケータイを手に取り、震えそうな指でゆっくりと番号を押す。
なんどもなんども番号を確認して、そして受話器をあげるボタンを押した。
無機質なコール音が、耳に響く。
彼女がいるかもしれない。
電話に出ないかもしれない。
怖くて、不安で、心臓がどうにかなってしまいそうだった。
『はい。』
何の前ぶれもなく懐かしい声が響いた。
「あ、あの・・・・私っ、中村 綾と申しますが・・・・、」
『あ・・・、ああ!中村さん!?うっわー、久しぶり!元気だった??』
彼の、なんとも無邪気な声が聞こえてきて、少しほっとした。
ちゃんと覚えててくれたんだ・・・・、
「うん、元気。あの、今、大丈夫・・・かな・・・・?」
『ああ、平気だよ。クリスマスなのに1人で過ごしてたしさぁ』
彼の言葉に、また一つ安心する。
たわいの無い話をして、少し緊張が解けた頃、
だんだん、ゆっくりとだけど言葉がふつふつと湧いて来た。
「あのね、私、言いたい事があって」
『うん』
ゆっくりと息を吸い込む。
「祐二君のこと、ずっと好きだったんだ。」
言ってしまった!
言った後にすごく恥ずかしくなって、すぐにでも電話を切ってしまいたい衝動に駆られた。
『・・・・・・・・・・・。』
祐二君は沈黙してる。どうしよう!どうしたらいいの・・・!?
『・・・・・好きだった、ってことは過去形なの?』
「う、ううん。違う、私今でも好き。」
言葉にしたら、ああ、そうなんだ、ってなんだか自分が納得した感じがする。
不思議。・・・冷静になれた。
「私、一昨年のクリスマスに告白する気だったの。だけど、言えなくて。いままでずっと、そのこと忘れられなくて・・・。あ、嫌ならそうハッキリ言ってくれていいからねっ?」
言いたい事を全部言おうとする私の耳に、緊張をぶち壊す笑い声が響いてきた。
・・・・祐二君、笑ってるの?私の告白を聞いて、真剣な思いを聞いて、笑ってるの?
・・・・・・そんなの酷いよ・・・・・、
涙が溢れそうになる。
『・・・・ゴメンゴメン、・・・そういや俺も中村さんに言わなきゃいけないことがあるんだ。』
笑いを抑えて、真剣な声になる祐二君。でも、なんだか嫌な結末が見えている気がして、ケータイを耳から離した。
『・・・・・・・・・・・・・・・・・だったんだ。だから・・・・・ねぇ、聞いてくれてる??』
見つめたケータイから、祐二君の声。・・・・やっぱりかけなきゃ良かったかも・・・・・。
でも、今更だ。どうせなら、諦めが付くくらいきっぱり振ってもらおう!
「・・・・うん?ごめん、もう一回言ってくれる?」
『ああ。実はさ、出会ってすぐに、中村さんが俺のこと好きなのは気付いてたんだ。』
・・・・・じゃあ、今までそれをずっと無視してきたの?
『・・・・・・俺の家さ、実は結構金持ちで。金目当てに寄ってくる女が今までもいっぱいいてさ、俺は周りの女は皆、所詮金目当てなんだって思うようになってた。』
淡々と話す口調。彼の家が結構金持ちは事は、直美から聞いて知ってる。たぶん事実だろう。
『だけど、君の事は信じたかった。俺の中身を見てくれる人間だって。・・・・だから、旅立つ日もわざと告げなかった。』
「それがどうして・・・・?」
驚く私に、彼は笑いながら告げた。
『中村さん、俺の策略にまんまとはまっちゃったね。今みたいに俺のこと思ってて欲しかったから、だよ。』
彼はイタズラっぽく笑うと、言葉を続ける。
『・・・・俺って我が侭な男だよなぁ・・・・。・・・・でも、こんな俺でも・・・いいかな?』
彼の言葉に、思わず涙がこぼれた。
彼にそんな事をさせるほど、好かれてるのだと自惚れてもいいのだろうか・・・?
皆が憧れるような彼に一歩近づいてもいいのだろうか?
「・・・・・・うん、いいよ・・・・、」
『じゃあ、これから会おうか?』
「うん!」
夢みたい。クリスマスの日は一気に幸せな日へと塗り替えられた。

ねぇ、大好きな大好きな祐二君
来年は、一緒に直美に貰ったクリスマスツリーに幸せを飾ろうね。 END





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Last updated  2005.12.26 01:07:11
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ヒゲメタボ@ クマたんと呼ばれてます(^^; 最近はこれが流行ってるって聞いたので …

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