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2017.08.21
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 ネットのニュースで「日本刀の職人の後継者不足深刻」というのがあって、でも理由が「最初の5年間は無給、独立しても自分の仕事場を作るのに1000万の費用」みたいなことが書いてあって、これは滅びるして滅ぶ文化だと思いました。

 たとえばこれが客の需要がある仕事であれば生き残れるかもしれないけど、当たり前ですが日本刀、しかもちゃんとしたものを買おうなんて人は現代社会ではほとんどいない。観光客向けのお土産の模造刀は市販の包丁と同じプレスで打ち出したものだし、本格的にトンカントンカン叩いて作るものなどは市場規模はあってないような、それこそ美術品のようなものです。

 以前、人間国宝の刀鍛冶さんの仕事を取材したドキュメントを見たのですが、そういう人でも発注が2年に一本とか。そうなると若い人、独立したとして駆け出しの人は仕事としてやっていけない。事実、日本刀の刀鍛冶は国内に300人程度、でも、それだけでやっていける職人は日本に30人程度しかいないとか。そりゃそんな世界は後継者不足以前の問題・・・

 昔ながらの職人芸の危うさってこういうところがあって、たとえば最初は食えない、無給が普通だ、みたいな考え方。しかしそれは当然ですけど入ってくる人がいなくなる。人がいなくなればレベルは下がる。そうなると単に「伝統」という看板だけで喰っていくしかない。

 ちょっと話は変わりますが、TBSラジオの朝の伊集院光の番組で、ものつくり職人を取り上げているコーナーがあるのですが、その放送を聞くたびにいつも「ああ、こういう姿勢だからこの職人仕事って淘汰されていくんだろうな」と思うことがよくあります。彼らは自分の技術を作っているものに集中し、人生をかけて、それこそ0.1ミリとかそういう世界にこだわって仕事をしている。しかし、買う側にとってすればそんなこだわりより、安かったり、手軽であったり、もっと別のモノを求めているケースが往々にしてある。職人の考える「買ってくれたお客様のため」とのズレがある。裏を返すと「お客のことを考えていない、単なる自己満足」になっているのではないか?ということ。

 これは自分のいるゲーム業界にもあって、どんなに苦労して、質感やリアリティーにこだわった据え置き3Dゲームより、スマホの簡単に作られたゲームの方が「どこでも気軽にゲームを遊びたい」という多くのお客さんを見ている、ということになることもある。

 「いいものを作れば売れる」という職人が嵌る落とし穴だと思います。多くの客の求めているのは最高品質ではなく、もっとも手ごろな、バランスのとれた品質なのですから。






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最終更新日  2017.08.21 09:14:47
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