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2011.06.19
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カテゴリ: 山本周五郎
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今作の基調にあるのは『忍耐』『滅私奉公』『真実と偽善』といった美徳感でしょう。

自己主張しなければ勝ち残れない、または生き残れない社会になっている今、『松風の門』の主人公のような奉公が果たして価値あるものなのか?
いや、この主人公の採った選択の意義を察した家老のような存在が今の社会にいるのだろうか?
そしてその忠臣の提言をありのまま受け入れてくれる殿様(社長)は存在するのだろうか?
これほど美しい話もないと思える一方で、最早この話は寓話の世界の域なのかもしれないと思えてしまうのは私が世に磨れ過ぎてしまったためなのだろうか。
それでも、私たちはこの本を読み継いでいかなければならない。

『砦山の十七日』はハードボイルドに映像化して欲しいと思いながら読み進めた一篇
ミステリーじかけもあり、追い詰められた人間の心理描写といい、統べる立場に置かれた人間の焦燥と苦悩といい、手に汗握るストーリーに参ってしまった。


それでも、山本周五郎の書くこの色合いの物語に、(色を好む)私の一物は反応しなかったのです。
自己分析すれば、官能よりも人の持つありのままの性質に比重が掛かっているからだろうと思っている次第。

物語の情景が浮かびにくかったのが『月夜の眺め』と『失恋第五番』の二編。

ふと、思ったこと
山本周五郎の作品の題で植物を題名にした作品は全部で何編あるのだろうか?


・松風の門
・鼓くらべ
・狐
・評釈堪忍記
・湯治
・ぼろと釵(かんざし)

・夜の蝶
・釣忍
・月夜の眺め
・薊
・醜聞







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最終更新日  2011.06.20 00:10:45
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