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2006年01月02日
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カテゴリ: 露野
 男は田舎にしては立派な装束を身につけ、庇の間に畏まって座っていたが、式の間中暗い眼をしてあらぬ方を見つめていた。美しい少女の方を見ようともしなかった。

 実際に顔を見てみると、男はまだ頬の当たりに微かに少年の面影が残っているようで、私が思っていたよりずいぶん若かった。さしたる美貌ではないが、体つきは逞しく、眼差しにはつわものらしい精悍さがある。

 その眼がわずかに涙ぐんでいたようだったことを思い出して、私はまた考え込んだ。

 あの若者は少女のことが好きなのだ。どうやら少女の父親も二人が一緒になることを望んでいたらしい。だが、あくまで身分の高い男との縁組にこだわる母親の反対にあって頓挫したのだろう。そこへ私が現れた。おそらく親類の者の間でも、私を少女の婿に迎えることは知れ渡っていたのだろう。それだけならまだしも、目の前で好きな女が別の男のものになるのを見るのは、若者にとって堪らなく辛いことであったに違いない。

 その時ふいに、私の心の中に声が響いた。

 このまま、この地を去れ。少女の幸せを考えるのなら。

 私は苦笑した。この私が少女の幸せを考える?

 私は今まで欲しいと思った女を手に入れることを躊躇したことはない。夫がいようが、許婚がいようが、そんなことなど私には何でもないことだった。まして、少女は私を慕い、親も結婚を了解している。

 それなのに、なぜだろう。





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最終更新日  2006年01月02日 17時15分20秒
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