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2006年01月09日
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カテゴリ: 露野
 武蔵を出た私は、下総を通り、ただあてもなく北へ北へと旅を続けて行った。

 そして、とうとう陸奥にまで辿り着いてしまった。

 みちのおく、と言うくらいだから、陸奥の国は最果ての地だ。もはや都の面影などどこにもない。苔むした巨木の生い茂る山々は恐ろしいほどに暗く、野原は一面名も知らぬ草に覆われて、田畑の姿も稀である。人の住む里もまばらで、ようやく辿り付いて案内を請おうとしても言葉すらはかばかしく通じない。里人の住む家も、ただの掘建て小屋にすぎない粗末なものばかりで、一夜の宿を借りることすら難しかった。

 陸奥の旅は困難を極めたが、それでもさすがに国府のある多賀城の辺りにたどり着くと、ようやく街らしい家並みを眺めることが出来た。私はしばらくこの地で旅の疲れを癒すことにし、国府の近くにある小さな屋敷を借りて、ようやく旅装を解いた。

 この屋敷は、元は国府の下級官人の住処だったという。館は小さかったが、庭には昔の名残か、形の良い枝振りの庭木が何本もあり、小柴垣の陰には何やら小さな花も咲いている。僅かばかりの調度もあり、古びてはいるが住み心地は良かった。

 それに、国府には京から来た官人もいて、様々な便宜もはかって貰えた。そして、官人たちにこれ以上北へ行っては何があるかわからないと言われたこともあり、私は結局この家で二年あまりもの月日を過ごすことになったのである。

 今思い出して見ると、陸奥での日々は穏やかで平和なものだった。私は日がな一日歌を詠んで過ごしたり、気の向くままに野山を歩きまわったりした。時には、国府の官人たちと鷹狩に行ったり、酒宴を開いたりしたこともあったが、私は概ね一人でいることを好んだ。そして、気候の良い季節には、僅かな供だけを連れて、陸奥の名所や旧蹟を尋ねる短い旅に出た。





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最終更新日  2006年01月09日 17時13分16秒
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