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2006年01月12日
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カテゴリ: 露野
 従者が心配して走り寄ってきた。私は従者の肩に掴まってもう一度立ち上がり、何とか馬に乗ろうとしてみたが、馬の背は高くて、従者一人では私を引っ張り上げることが出来ない。人を呼びにやろうにも、里は遠いし、こんな山犬の出るような山奥に、身動き一つ出来ぬ私を残して行くわけにもいかなかった。

 私たちは途方にくれた。

 間もなく日が暮れる。こんな寂しい山の中、しかもひどく薄気味の悪い場所で、一夜を明かすなんて。

 それこそ、留守番の従者の言いぐさではないが、鬼女か山の神にでも魅入られてしまうことだろう。いや、もしかしたら私が滅多にしない落馬をしたのも、この山の神に既に魅入られてしまっているからなのかも。そう思うと、さすがの私も恐ろしくなった。

 だが、無情にも日が暮れた。夜の山の空気は冷たく湿っていて、ひどく寒い。風に辺りの木々が不気味にざわめき、どこからか何の声かもわからぬ獣の鳴き声もする。

 私はだんだん生きた心地がしなくなってきた。

 そのような私の気持ちが伝染したのか、従者は怖がって、ひたすら誰かいないかと叫んだ。もちろん、こんな山奥に誰がいるはずもない。従者が声が枯れるまで叫び続けるので、私の耳の方が痛くなってしまったくらいだ。

 そうするうちに、しとしとと雨まで降ってきた。従者はすっかり元気をなくして座りこみ、私は足首の痛みに歯を食いしばりながら、あまりの寒さにがたがた震えていた。





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最終更新日  2006年01月12日 18時24分24秒
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