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2006年01月13日
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カテゴリ: 露野
 そうして、何時が過ぎた頃だったのだろう。

 山道の遥か向こうから、小さな灯りが近づいてくるのが見えた。それは、赤くゆらゆらと揺れていて、まるで鬼火のようだった。

 もう既に十分怯えきっていた従者は、その鬼火を見ると、ひーっと情けない声を上げて、半泣きになりながら、私にしがみついてきた。私も恐ろしかったが、まさかこちらからも抱きつくわけにはいくまい。私は腰に下げた太刀の柄に手をかけて、鬼火を見据えていた。

 ところが、近づいて来ると、鬼火の正体はただの松明だった。先頭に松明を持った従者を歩かせた騎馬の男が、後ろに荷車を従えて、山道を降りて来たのである。騎馬の男は、道端に蹲っている私たちを見ると、びっくりしたような顔をして、馬から下りてきた。

 男は三十歳あまりだろうか、田舎びた狩衣を身に付け、萎えた烏帽子を被っていた。どこといって特徴のない平凡な顔だが、実直そうだ。私は寒さに震えながら、男に声をかけた。

「私は多賀城から来た旅の者です。馬から落ちて足をひねり、難儀をしております。どうぞお力をお貸しくだされ」

 男は心配そうに私の足を眺め、何か言ったが、訛が強くて私にはよくわからなかった。かわりに従者が会話したところによると、これから山裾の里にある家に帰るところだから、荷車に載せて連れて戻ってくれると言う。

 私はありがたくその男の好意に甘えることにした。





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最終更新日  2006年01月13日 17時04分13秒
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