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2006年02月20日
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カテゴリ: 露野
 翌日も、私は何となく気分がすぐれず、ずっと寝所に篭っていた。するとそこへ、昨日の少年が私に会いに来たと言う。私はむらむらと怒りが湧いてくるのを感じた。

 あの少年は私を騙したのだ。

 私は少年に厭味の一言でも言ってやりたい気がして、少年に会うことにした。少年は不機嫌な私の顔を見ると、床に手をついて平伏した。私は肩に単を引っ掛けただけの寝乱れた姿で少年の前に座り、精一杯厭味を込めた声で言った。

「昨夜のあれは、一体どういうことだね」

 少年は私の言葉を聞くと、床に平伏したまま、わあわあ泣き出した。私はあっけに取られて、それ以上何も言えなくなってしまった。しばらく泣いていた少年は、ようやく気を取りなおしたのか、袖で涙を拭いながら途切れ途切れに話し出した。

「本当に、申し訳もございません。私はあなたを騙すつもりなどなかったのです。もちろん、母の歳を言わなかったのは悪いとは思っていました。でも、それを言ってしまうと、きっとあなたは家へは来てくださらないと思ったし」

「ふん、確かに詳しく聞きもせず、のこのこ誘いに乗った私が馬鹿だった。だが、あれはひど過ぎるのではないか。お前の母が、あれほどの老婆だとは思いもしなかった」

「御尤もです。でも、私は何とか母の願いを聞き届けてやりたくて。私の母は四十歳をとうに過ぎてから私を身篭りました。周囲の者は、そのように年がいってから子を産むのは命に関わると止めたそうですが、母はどうしてもと言って聞かず、大変な難産の末に私を産んでくれたのです。そして、私を大層可愛がって育ててくれました。兄たちとは二十以上も歳が離れていて、私は家では始終邪魔者扱いされましたが、母だけはいつも私を庇ってくれたものです。そんな母に、しかももう老い先長くないだろう母に、一度でも嬉しい思いをさせてやりたくて」





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最終更新日  2006年02月20日 14時49分05秒
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