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2006年06月02日
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カテゴリ: 心あひの風
 家人はそんな兵衛尉に同情を見せつつも、呆けたようにすすり泣く兵衛尉に言った。

「死体は、これだけではありませぬ。あの角を曲がった辺りにもう二人」

 驚いて兵衛尉が顔を上げると、家人は山道の先を指差した。兵衛尉はふらふらと起き上がって、山道を登ってみた。

 角を曲がると、凄惨な光景が目に入ってきた。

 家人が先に掘り起こしたのだろう。雪の中に二人の男が倒れていた。掘り起こした雪が、夥しい血で染まっている。二人の男は喉を切り裂かれ、首はようやく胴に繋がっているだけだった。胸や腹も何度も刺されたのか、大きな傷口から血まみれの臓物がはみ出している。恐ろしい苦悶の表情を浮かべた顔には、見開かれ剥き出しになった眼球が灰色に濁っていて、兵衛尉は思わず吐き気をもよおした。

 青ざめて立ち竦んでいる兵衛尉に、家人は言った。

「若、いかがいたしましょうか」

「この二人は、このまま莚にでも包んで国府へ運べ。焼き討ちに関わりのあるものかもしれぬ。捕まえた賊の残党に見せて、詮議せよ」

「女の方は」



 兵衛尉は身に付けていた単を一枚脱いで、千手の身体を包んだ。そして馬に乗ると、家人の力を借りて千手の亡骸を馬上に抱き上げ、一人で武生の方へ戻っていった。





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最終更新日  2006年06月02日 11時20分47秒
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