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2006年10月04日
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カテゴリ: 孤舟
 だが、ずっと側に仕えていた左衛門尉は早くもその本性に気付いていた。

 殿は今まで自分の思い通りにならなかったことがない。それにいつも周りの者たちからちやほやされ甘やかされていた。

 そのせいで、およそ人を人とも思わぬ傲慢な男だった。左衛門尉のような近習にも、ちょっと気に食わないことがあると、平気で物を投げ付けたり簡単に出入りを差し止めたりする。

 それにひどい漁色家だった。屋敷内でも少し見目の良い女房なら片端から手をつけ、外で通う女君たちも両手の指では足りない。ましてや、賤しい遊女のさきくさなど、ほんの仮初めの遊びにしか過ぎないのだ。だから、さきくさに子が出来ると、腹が大きくなった女子などに興味はないと、さきくさの元へ通うのをさっさと止めてしまった。

 さきくさを鹿ケ谷にあった父の山荘へ連れて行ったのも、さきくさと赤子の世話をする気の利いた女を見つけて側へつけたのも、すべて左衛門尉だった。

 だが、左衛門尉はさきくさにはすべて殿のお指図だと言っておいた。恋しい人から捨てられ、たった一人で子を産むさきくさが哀れだったからである。そして、時々暇を見ては山荘へ通い、食べ物から着る物まで暮らしの面倒を見た。

 思えば、あの頃が左衛門尉には一番幸せだったような気がする。

 生まれた女の子を左衛門尉は飽きもせずよくあやしたものだ。父母に似てそれは愛らしい子で、さきくさはお気に入りの古い今様から胡蝶という名を付けていとおしんだ。左衛門尉も、主君に縁のある者ゆえさきくさとそうあからさまに親しくするわけには行かなかったが、胡蝶と遊んだり時々さきくさと言葉を交わしたりするだけで嬉しかった。





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最終更新日  2006年10月04日 10時13分05秒
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