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2006年10月24日
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カテゴリ: 孤舟
 そのあまりの哀れな様子に、目井も乙前も言葉がなかったそうだ。

「まだ三十歳にもならぬようなのに、髪はほとんど白くなってしもうておった。顔中あばただらけで、目も見えておるのかおらぬのかよくわからぬ。片足は膝から下がちぎれたように無残になくなっておってな。その上、正気でないのは明らかじゃった。何を問うても今様を繰り返し歌うばかりでの。胸に生まれたばかりの赤子を抱いておったが、どれだけむずがっても見向きすらせぬ」

「それが、わたし?」

「そうじゃ」

 目井は袈裟の頭を優しく撫でて続けた。

 女の歌は確かに美濃青墓の傀儡子の節回しとそっくりだった。だが、目井の肥えた耳にはどこか違うところも感じられる。その時、目井は幼い日に一緒にこの胡蝶の今様を歌ったある少女の歌声を思い出したのだそうだ。

 目井がまだ青墓に住んでいた頃、師匠の四三(しさん)の元で共に今様を学んださきくさという名の少女。その歌声は大層美しかったが、元々傀儡子ではなかったさきくさの節回しには独特の癖があった。河原の女の歌う今様には、確かにそれと同じ癖があるような気がする。

 結局、目井は群れの長に銭をはらって、親子ともども貰い受けたのだという。





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最終更新日  2006年10月24日 18時15分11秒
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