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2007年05月25日
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カテゴリ: 蒼鬼
 一間の中には年老いた女房が一人、静かに坐っていた。そして、清和帝が用意された繧繝縁の畳の上に坐ると、ゆっくりと帳台の帳を上げた。

 中には、母の明子がいた。

 久しぶりに見た母の姿に、清和帝は思わずはっと息を飲んだ。

 白い単に紅の袴。その上に、息子とはいえ帝に会うためだろうか、略礼装の小袿をしどけなく引きかけている。だが、そのようなくだけた様子の時ですら、明子は驚くほどに美しかった。

 ほのかに血の色が透ける白い面輪。非の打ちどころなく整った鼻の稜線。長い睫に縁取られた瞳は、不思議な淡い茶色で、まるで唐渡りの玻璃の玉のようだった。

 髪も漆黒ではなく、わずかに薄く茶味を帯びていて、縒り合わされた細い絹糸のように艶やかに波打っている。本来なら忌まれるはずのその明るい髪も、瞳の薄い茶色に良く映って、明子をどこか人間離れした異界の者のように見せた。

 その不思議さは、その珍しい容貌のせいばかりではない。

 清和帝の目の前にいる明子は、驚くほど若かったのだ。

 白く滑らかな顔には皺はなく、髪にも白いもの一つない。今年確かに五十歳になるはずなのに、せいぜい三十歳をわずかに越したくらいにしか見えなかった。



 あまりにも美しすぎる。とても人間とは思えない。まるで、魔性のものようだ……そこまで考えて、清和帝は慌ててその不吉な呟きを胸の中に押し込んだ。せっかくの五十の賀の祝いに、何という不謹慎なことだろう。





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最終更新日  2007年05月25日 12時11分12秒
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