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2007年08月24日
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カテゴリ: 蒼鬼
 急に不機嫌になって席を立った東宮の非礼を詫びるように、仁明帝は良房に言った。

「あれも、少しはにかんでいるのだろう。何しろまだ元服して日も浅い。初めての妃を迎えるのだから、ずいぶん面映ゆい気持ちでいるに違いない……そのうち、そなたにも打ち解けるであろう。案じるな」

 仁明帝は明子にも優しく語り掛け、わざと明るい笑い声を立てながら軽口をきいた。

「それにしても、見事な娘御じゃな。このように美しい女子を見たのは初めてだ。私がもう少し若かったなら、是非私自身の妃に貰い受けたかったものを」

 良房は、自分を気遣ってくれる仁明帝の思いやりに感謝しつつも、先ほどの東宮の様子がひどく気になった。

 隣にいる明子も、夫となる東宮のどこか冷たい態度を感じ取ったのだろうか、何となく沈んで見える。だが、日頃から口数が少なく、滅多に自分の感情を表さない明子は、良房に不安げな目を向けることもなく、ただ淡々とそこに坐っていた。

 この物静かな娘が、この伏魔殿のような内裏の後宮に入って、上手くやっていけるのだろうか。

 良房はふと不安になった。

 だが、今更何を言おう。明子は生まれた時から帝の妃になることを運命づけられた女だ。



 良房はそう思って、無理に自分を納得させた。そして、傍らの明子の姿を眺めながら、心の中で呟いた。

 これからはこの娘を、自分の全霊を傾けて護ってやらなければならない。いつか、帝の皇子を産み参らせるその日まで……。

 良房は新たな決意を胸に固め、改めて丁寧に明子入内の許しを得た感謝を述べると、帝の御前を辞した。そして、明子の柔らかい小さな手を取り、これから明子の住まいとなる東宮御所へと導いていった。





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最終更新日  2007年08月24日 12時14分16秒
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