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2007年08月31日
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カテゴリ: 蒼鬼
 だが、明子がいくら待ち続けても、文徳帝は決して明子を振り返ることはなかった。

 暗く寒い夜に、孤独に打ち震えながら、明子は幾度も思ったものだ。

 誰かから、情熱を込めて愛されるとは、一体どんな気持ちのするものなのだろう。一度でいいから、誰かに抱きしめられてみたい。強い腕で、息も止まるほどに。そして、優しく髪を撫でられ、くちづけを交わし、耳元に熱い囁きを聞いてみたい。あなたを、愛していると。

 だが、そんな日が決して訪れはしないことを、明子はよく知っていた。文徳帝はこれからもきっと明子に心を開いてくれることはないだろうし、たとえ文徳帝が亡くなったとしても、帝の妃であった者が他の誰かとまみえることなどあり得ない。

 ほとんど訪れることのない夫を待ちながら、空しく時が過ぎていく。

 だが、明子にはいずれは帝の位につく男皇子を産み参らせるという、生まれた時から負わされた宿命があった。明子はそのことを物心ついたときには自覚していた。

 だから、少しも愛してくれない男に抱かれることがどれほど辛かろうとも、優しく抱きしめてくれる力強い腕を絶望的なまでに欲していようとも、明子は自分のさだめに従うほかなかった。





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最終更新日  2007年08月31日 12時44分18秒
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