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2007年09月04日
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カテゴリ: 蒼鬼
 微かに、小さな泣き声がする。

 明子が耳を澄ますと、聞きなれた足音も聞こえてきた。

 やがて、庇の間の御簾が上げられ、衣擦れの音とともに父の良房が姿を見せた。父の後ろには、白い産着を着た若宮らしきものを抱いた、明子の乳母の継子が続いている。

 良房は明子が目を覚ましているのを見ると、驚いたような声を上げ、几帳を押しやるのももどかしく、明子の傍らに腰を下ろした。そして、優しい笑顔で頷きながら、乱れて額にかかった明子の髪を撫であげてくれた。

 顔はにこやかで満足げだが、その目は赤く潤んでいる。父のその目を見て、明子は何か声をかけようとしたが、疲れ果てているせいか、俄かに声が出ない。良房は明子を優しく制して言った。

「何も言うな。まだ身体に障る。そなたがなかなか目を覚まさないので、どれほど心配したことか。若宮の声でも聞けば気がつくのではと継子が言うのでな、若宮を連れて来てみたのだが。やはりそれが良かったのだろうか。ああ、これでやっと安心した」

 継子もにこやかに微笑みながら、か細い声を上げて泣いている若宮を明子の目の前に差し出した。

「ご覧遊ばせ。何とお可愛い若宮様でしょう。明子様の赤子の頃によう似ておいでございます」

 ようやく少しだけ首を起こして明子が見た若宮は、明子が思っていたよりも小さく痩せていた。少し心配げに眉を寄せた明子に、継子はことさらににこやかに微笑んで言った。







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最終更新日  2007年09月04日 12時01分32秒
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