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2007年10月23日
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カテゴリ: 蒼鬼
 何と、今まで首を項垂れて歩くのも嫌そうだった右方の老馬が、突然疾風のような勢いで、前を走っていた鹿毛の駿馬を追い抜いたのである。

 馬場中の人々が、あっけに取られて、声をなくしてしまった。良房は驚いて目を見開いたが、震える手で傍らの白湯の入った茶碗から一口飲むと、強気な笑い声を立てながら言った。

「いや、これは見事な一番であった。せっかくの盛大な競馬。少しは張り合いがなくては面白くない」

 だが、良房はそれきり黙りこんでしまった。続いて始まった七番目でも、黄色い毛のはげかけた痩せ馬が、艶やかな黒毛の牡馬を遥かに引き離して、馬場を駈け抜けたのである。

 右近の馬場中が、いっせいに声をあげてざわめき始めた。

 右方の幕屋では、大げさに喜びつつも、名虎がどうしてこうなったかまるでわからないといった阿呆面を晒していた。だが、一人の小坊主が幕屋にやって来て何かを囁くと、名虎は手を打って喜び、満面の笑みを浮かべて傍らの惟喬親王を掻き寄せた。

 今度は良房の方が額から冷や汗を流し始めた。どうみても勝ち目のない老馬が、東国から選りすぐって連れてきた若駒より速く走るなんて。それに先ほどまで萎れきっていた名虎が、急に勢いづいて不遜な笑みまで浮かべているとは。

 これは何か裏がある。良房はそう思ったのだろう。後ろに控えていた基経を呼び、何やら耳打ちした。基経は顔を引き締めて頷くと、さっと幕屋から姿を消した。





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最終更新日  2007年10月23日 12時15分35秒
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