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2007年10月26日
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カテゴリ: 蒼鬼
 その間も、競馬は続いていく。

 八番目も九番目も、右方が勝った。歓声を上げる右方に対して、青ざめた厳しい顔で身動き一つせずに馬場を睨みつけている良房を恐れたのか、左方は誰一人声を立てるものもなく静まり返っていた。

 御簾の奥からは相変わらず赤子の細い泣き声は聞こえているが、御簾の下から覗いている紅葉襲の袖も全く動かない。重苦しい雰囲気が流れた。

 とうとう最後の十番目がやってきた。

 良房は祈るような面持ちで馬場を見つめていた。この一番で勝てばこちらの勝利だ。だが、もし負けるようなことがあれば……。

 良房は不安で胸が締めつけられる気がしたのか、少しふらりとして取り巻きの貴族の一人に肩を支えられていた。名虎の方は打って変わった余裕の表情で、扇で顔を仰ぎながら誰彼なくしゃべりかけている。

 いよいよ競馬が始まった。

 まずは、左方の美しく逞しい葦毛馬が一気に駆け出した。だが、早くもその葦毛のすぐ後ろに、よぼよぼの老いた牝馬が追いすがっている。と、見る間に蹄を蹴って、葦毛に並んだかと思うと、飛ぶように一気に抜き去って行った。

 右方はもう大喝采だ。名虎は大げさに、周囲を取り囲む者たちと、抱き合い肩を叩き合って喜んでいる。



「いやはや、結構な勝負でござりましたな。良房卿の馬はどれも東国育ちの選りすぐりと聞いて、とてもこちらに勝ち目はござるまいと諦めておりましたが、なんのなんの。あまり容易く勝ちを譲られると、後がございませぬよ。しかしまあ、大枚はたいた東国の駿馬もたいしたことはありませんな。馬で勝ち目がなければ、ご祈祷の力にでも頼られてはいかがか?」





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最終更新日  2007年10月26日 11時32分16秒
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