佐遊李葉  -さゆりば-

佐遊李葉 -さゆりば-

PR

×

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

vyゆりyv

vyゆりyv

カレンダー

カテゴリ

カテゴリ未分類

(0)

露野

(129)

心あひの風

(63)

孤舟

(59)

かるかや

(68)

蒼鬼

(253)

光明遍照

(53)

山吹の井戸

(52)

きりぎりす

(217)

遠き波音

(50)

羅刹

(193)

コメント新着

vyゆりyv @ Re[1]:羅刹 -193-(10/05) 千菊丸2151さん いつもお読みいただいて…
千菊丸2151 @ Re:羅刹 -193-(10/05) 是非このブログを残してください。 ゆり様…
vyゆりyv @ Re[1]:羅刹 -192-(09/14) 千菊丸2151さん だらだら更新に最後まで…
千菊丸2151 @ Re:羅刹 -192-(09/14) 漸く完結しましたね。 ちょっと後味が悪い…
vyゆりyv @ Re[1]:羅刹 -190-(09/08) 千菊丸2151さん 花山院皇女は惚れた弱み(…

サイド自由欄

QLOOKアクセス解析
2008年01月23日
XML
カテゴリ: 蒼鬼
 真済は都を去った日のことを思い出していた。

 あの日も、今日のように明るい日差しの照る日だった。その日差しの中を、真済は後ろも振り返らずに東寺を出て羅生門を抜け、そのまま京を出て行った。どこへも行く当てはなかった。

 真雅の言った通り、確かに高尾の神護寺へも戻れない。今更どの面を下げて帰れるだろう。でも、どこへ? 

 真済にはわからなかった。それで、ただあてどもなく南へ南へと歩いて行った。どこか心配げな顔をして側についていた剣の護法童子も、いつの間にか姿を消している。だが、真済には真言を唱えて童子を呼び戻す気力すらなかった。

 一体、幾日くらい経った頃だろうか。知らぬ間に真済は、大和国の深い山の中へさ迷い込んでしまっていた。行けども行けども人家はなく、人のたどった痕跡すら見えない。

 粗食や山歩きに離れている真済も、さすがに十日も経つと次第に弱っていった。そして、ある夜、ついに暗い森の中で動けなくなった。遠くで、山犬の鳴くような声もする。

 もうこのままここで果ててもよいか。

 ふと、そんな思いが過ぎり、気を失いかけた時だ。微かに耳元で囁く声がした。

「……不甲斐ない。これしきのことで、使い物にならなくなるとは」



「主上は何と申されておる?」

「さあ。間もなくこちらへ参られるであろう。ほら……」

 その声に促されるように、真済は意識を取り戻し、力なく目を開けて驚いた。


にほんブログ村 小説ブログ 歴史・時代小説へ
↑よろしかったら、ぽちっとお願いしますm(__)m





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2008年01月23日 10時50分35秒
コメントを書く
[蒼鬼] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: