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2008年03月31日
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カテゴリ: 蒼鬼
 継子には気の遠くなるような長い時間が過ぎた後、鬼はようやく満足したのか、帳台の中で動きを止めた。明子の方はもはや疲れ果てたのか、褥の上に横たわったまま身動き一つしない。鬼はなおも未練げに明子の身体を撫で回していたようだったが、やがてふらりと立ち上がると帳台を出た。

 継子は密かに身を起こし、御簾を揚げることもなくそれをすうっと通り抜けていく鬼の後姿を見ていた。青黒い巨大な身体は、引き締まって硬い筋肉が盛り上がり、腰の辺りに薄汚れた布のようなものを巻きつけているだけだった。その布の端には、継子の頭など一たまりもなさそうな大きな槌がぶら下げられている。大方、人間の頭を打ち割って脳髄でも啜るためのものか。継子は思わずぞっとして、震える身体を自分の腕で抱きしめた。

 その衣擦れの音に気づいたのだろうか。鬼はふと立ち止まると、ゆっくりと後ろを振り返った。かなまり鋺のような目がぎらりと光り、耳まで裂けた分厚い唇には、鋭く尖った剣のような牙がのぞいている。

 鬼は継子のいる塗籠の方を見やると、にやりと笑った。そのおぞましさに、継子は凍りついたように動けなくなった。鬼はそんな継子などたいして気に止めてはいないのか、やがて青い炎のような光を揺らめかせながら庭へ降りると、木立の暗がりの中へ姿を消して行った。


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最終更新日  2008年03月31日 12時25分17秒
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