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2009年01月28日
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カテゴリ: 山吹の井戸
 井戸と言っても、雑仕女が洗濯をするようなただの井戸ではない。それは県(あがた)の井戸と呼ばれる世に名高いものだった。

 その井戸は、この山科の地へ都が移されるずっと以前からここにあり、万病を癒す霊水として人々に崇められていたという。

 それを気に入った少将の祖父の文章博士橘広相が、この地を譲り受けて自分好みの瀟洒な屋敷を建てた。県の井戸にちなんで井戸殿と呼ばれるようになったこの屋敷は、後に父の大膳大夫橘公平に譲られて、父亡き今は少将ら姉妹たちの住まいとなっている。

 風流な教養人だった祖父は、山吹の名所として知られる井手の里にちなんで、その井戸の周りにたくさんの山吹の木を植えた。それから何十年もたった今では、それぞれの木は大きく成長し、井筒を覆わんばかりに茂っている。

 まだ父が生きていた頃には、山吹の花が満開になると父の同僚や上司の殿上人たちがこの屋敷に集い、寝殿の東庇で花の宴を開いたものだ。今はもう誰も訪れる者はいないが、今年も美しい花を咲かせるだろう。

 だが、その花が見られるまで、妹は生きていられるだろうか。

 山吹は青々とした葉を広げていたが、花の蕾はまだ固いままだった。


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↓こちらが現在に残る「県井」。現代の京都御所のある京都御苑の中にあります。少将たちの屋敷である井戸殿はきっとこの辺りにあったんでしょうね。





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最終更新日  2009年01月28日 14時26分28秒
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